イルミネーションの境目、居心地が悪そうに靴紐を結び直す人がぼやけて見えます。黒とかグレーの色をした人が多い季節、肩をすくめて道の端っこを歩く人、道のまんなかを腕を組んで笑いながら歩くふたり。それはうらやましい? カットがうまくいかなかったような顔をしてるし、別に。
こんな寒いのにストリートウェディングフォトを撮っています。フラッシュに映えたのはお風呂場の電球が切れたのに天井が高くて電球を取り替えられないときのような顔でした(昨日のわたしのような顔)。次のフラッシュでは思いついて買ったバスキャンドルが何だかとてもいい雰囲気だったときのような笑顔でした(わたしは買ってないですけど)。寒くない? ふたりはあつあつだから大丈夫? おめでとう。幸せになってね、わたしのぶんまで。
タバコを吸う人は嫌いですが、タバコの煙は嫌いではありません。服はクリーニングできますが、本はクリーニングできません。本に臭いが移るのは嫌なので、本を読んでいるときは近寄らないでくれるとうれしいです。本を読んでいないときは近づいてもいいです。間接照明がある部屋にいるときだけ自意識過剰なわたしがいやなら、別に。
つまり、左手で箸を持ったときに、ああ直されなかったのねみたいな顔をする人には絶対になりたくないのです。見えてないと思ってるんでしょう。あなたの目はうさぎのようによく動くのです。蛍光灯ってすごくいろいろなものを見せてくれます。お肌つっぱってます? お手洗い多いですね。お気をつけて。不幸せになってね、わたしのぶんまで。