かたち

なるべくちいさなことにこころをくだいてころころとこぼれていくほのかな花にかかるなつかしさがしあわせなのでした。忘れてほしいことはいつまでもこわれそうでこわれなくて、そのかけらを初めてのポケットに詰めこんであなたのそばにしゃがんだらまた流れていくのでしょうか。ほんとうはどうでもいいことがお日さまのように、生まれたときからずっと迷っているひとりぼっちの試みはもう聞き取れなくて、ずっと触れたらこわれそうなしるしだってとっくに間に合わなかったのです。

さらさらとその花の名前は夢のはしっこでまっすぐ立っていられなくて、背伸びしたトランペットがあたたかいポタージュといっしょにいられる先を教えてくれました。ずっとむかしから忘れてはいけないことが星になったことはもう忘れられてしまってほそい呼吸で高いところがこわいとつぶやいても予報はずっと外れています。ひとがほしがるのはだいたいぼんやりとしたものですからこんなとおいところにいるのがほんとうは正しくてその瞬間をどう呼ぼうと考えている時間がいちばんすてきでしょう。

となりでわらうひとをたいせつにしていると心がきしんだタイミングがわかるようになっておねがいの数が増えていきました。エンドロールもない未来にはことばだけが消えてたくさんの理由を重ねたベッドは冷たくて、息をついだ花のかおりに奪われたあやふやな月あかりに腰かけるまなざしは羽根のように軽かったことを朝になって知りました。どうしようもなく風をはねて思い出す後ろ姿の温度はこれからゆるやかにななつ色を描いて、もらった半透明のランプにはまだ解がありません。

だから寒いねってことばはちょっとした魔法なのです。