ひとのかたち

ひとは自分でつけたわけでもない名前を呼ばれることで愛されていると感じる変な動物です。それがひとならばずっといっしょにいればいるほど名前を呼ばなくなるのはひとが動物である名残です。だいすきってチャットするよりもただ名前をひとこと書いて送る方がしあわせになるなら、この世界のひとたちの名前がみんな隠されているのはこの世界がしあわせになると困ってしまうだれかがいるからです。開示請求はしあわせになるために神さまが作りたもうた手続なのかもしれません。

ひとの体の半分以上が水でできているならわたしたちはみんなどこかの名水のペットボトルで、水が飲みたくなったらそのへんのひとのキャップを外せばいつでもどこでも鉄分いっぱいのおいしい水が味わえます。口紅やヘアオイルはキャップ部分だからだいじょうぶですが、香水やボディクリームとかがまじると体に悪そうです。天然のものが体にいいって、スキンケアをさぼってるひとの方がいい水だってこれからグルメ漫画に書かれると思います。脂肪が多いと口あたりが悪いのでみんな適度に運動しましょう。

動物にも植物にも命はあって、命はおいしいものだからひとが食べます。ひとが食べれないものは命がないものです。(食べたことはないけど)ひとはおいしくなくて食べれないらしいから、ひとには命がないのだと思います。ひとが食物連鎖の頂点として命をいただいて命でないものに戻す機械として神さまが作りたもうたものならば、ひとが生み出したものはこの世になにひとつありません。ひとばかり増えて命が減ってくると神さまがひとのキャップを次々と開けてこの星に水をまいて命を育てます。