不意に後ろから追い越していく自転車にびっくりした道がいうことを聞いてくれなかったから遅刻したのですが証明書を受け取れません。みんな毎日すごくがんばってるからわたしもってずっと思ってるのにタクシーを待っているひとのようにじりじりと前に進むことしかできなくて、学習塾の前の植え込みでお迎えを待ってる子のようにスマホと向こうを行ったり来たりで、いつも閉まってるその店はきっとわたしがその道を通る日が定休日だと思います。そうしてるうちにダンボールに捨てられた星屑から星がきらりと散って屑だけが残りました。夢と同じで燃えるごみには出せないのに。
昔はレンタルショップがそこらへんにあったっていわれてもぼんやりと想像するくらいで、あっちとこっちの差を隠し通せなくなったわたしたちは機械の声に感情を読み取ることができるようになった代わりにだれかになにかを伝えることがむずかしくなりました。そんなことをしなくても屋根をかけたまま打ち抜けばなんだか深く考えこんでるように見えるのに、いつの間にか朝方になって長くなったタイトルにほっとしていると上の階からベランダの網戸をばちんと閉める音がして、今日も一日が始まることにうれしくなってみたいからいろんなことに気づこうとしているのに。
おかしいほど暑い中に買い物に出かけて店員さんにも聞いてみたのになにも買わなかったときの帰り道のごはんのように、ゆるやかなカーブに覆いかぶさってくる木々が汚れていくのを見ているまなざしは罰が当たったように、こころの上をすべっていく約束がどこかに埋まっているって、何年ぶりかにシャベルというものがこの世の中にあることを思い出しました。地図を結ぶ線は正確にきれいな星を描いて、それがどんなに美しく奇跡でもなんの役にも立たないって、最後尾で足がもつれて息を切らしていたひとがいつの間にか先頭を走ってるなんて夢を見たからそんなことに。