慣れ

走って走って横断歩道を渡っても変わってない信号にちょっと不機嫌になって、いつまでも前髪を直してばかりいるのにうんざりして、そうして6秒間がまんするその時間はきっと繰り返されていつもわたしの方がすくないって文句をいってる自分に気づかなくなるのがいちばんこわいことです。こころを離そうとしてもべったりとくっついてくる思いがたくさんありすぎて、もしかするところころと口の中で転がる飴を最後までかわいがれるように練習するのが近道なのかもしれません。

口を描かなかった自画像はあなたを待たずに今日までを思い出したらすぐに眠りにつきます。そうやって黙っていてよかったこともあったけどちゃんと言えばよかったことの方が多い気がしませんか。アスファルトにひとり夜に遊びたいのにいつまでもいろんな景色がちらついて気が散ってしまって、生きていればいつか願いが叶うか尋ねても答えてくれないのは願いがほんとうに叶ったらおとなは困ってしまうから、聞きたくないって耳をふさぐと心臓の音が深く深く響いてきます。

変わらないままでいることはとってもめんどうくさいので変わり続けることはいいことなんだとだれかが叫んでからもうどのくらい経つのでしょうか。ひとりをすり込んでもすり込んでも消えていかない切れはしはふよふよとあてどなく探しているみたいで、ただ下を凝視して必死に線路を歩くときも空から見守っているようなふりをして、どうせタイムマシンは来ないんでしょう、どこにも行かないメリーゴーラウンドに乗れるひとはとても限られているのですから。