しずかに灯したランプはおわるまで待っているカーテンの向こう側でそばにいてくれるからいつか明日が来ない日があったらあきらめられるでしょうか。朝にかばんのストラップがちょっとゆるんでいても白い花瓶に花を生ければ階段を下りるときもポットのお湯は冷めませんから姿見の前で前髪を直すくらいはできるはずです。お鍋のふたを開けたときにいっぱい笑いかけてくれる湯気を待って、気まぐれにかけたテーブルクロスがけっこう映えて、ものが多いなっていつも思ってるけどそんなに悪くないかもしれません。
お天気は窓のこちら側で決めてしまいましょうっていたずらっぽく言うものだから棚の上のボウルのような銀の月は椅子の背もたれに寄りかかって瓶の中の船にどうしようかと相談中、ねこに盗んでほしくない小物はとりあえずエプロンのポケットに、チェックのクッションカバーの角の丸みを撫でたくなるような居心地のいいソファがどこかにあればとか、ラタンバスケットはちょっとやりすぎかもとか、ひかりが輪っかになるような昼下がりにだまされてきっと寒そうな外に出てみることにしましょうか。
この季節はいろんなところで並んでいるひとたちが神妙な面持ちです。これというのがないなら手ぶらで帰ればいいのに瓶ばかりのキッチンが不満そうにしてたから調味料ストッカーをひとつ、うまく収まったら色違いでもうひとつの予定で入れるものはこれから考えます。こんな日はまな板に載せたフラットなこころをみじん切りにしてオリーブオイルでじっくり炒めてソフリットにしてしまって、いろんなカップの取っ手の向きに正しさなんてないのに今日も散らばる星くずは象るものに迷っています。
