なにかちょっとうれしかったことをお話ししようと思ってたのですが、雨の中いつもとは違う公園を歩いているうちにすっかりわすれてしまいました。傘をさしてたから思いついたことをスマホに書きとめておくのがめんどうで、たのしい文章になるはずだったのに今日の空気みたいにじめじめかもですがそれは傘が透明じゃなかったからなので許してください。おぼえていないからそんなにうれしいことじゃなかったのかもしれませんし。おぼえているのは何年かぶりにかたつむりを見つけたことくらいですが。
どこまでいってもじっとりしていてどこまでもぬるい温度が続くアスファルトは降ったりやんだりの一日に乾いていいのか濡れてた方が今日らしいのか迷ってたみたいで、下を向いて歩いてもおかしな目で見られない日をゆっくりと過ごしました。雨の日はだれかにできないことをきっとわたしがやっているからすこし気が楽になります。ずっと雨だと困るひとがたくさんいるでしょうし、しあわせがそんなにたくさんあったらたぶんしあわせではなくなってしまうから、雨はときどきくらいがちょうどいいです。
雨の日の服はどうしたらいいのかいつも悩んでしまうのですが今日は動きやすさ重視ですんなり決まりました。だれも知らないところに行くならよく知ってる服といっしょに、靴下の色はけっこう大事だと思ってます。細い裏路地はだれかに見られたり怒られたりしないかちょっとびくびくしながら、そこを抜けると奥から緑の音が広がってくるのがたのしみで、これからそこに入っていくときの湿気のたわみぐあいがおもしろくて傘を回したくなります。もうおとなですから風が強いときは困りますけど。