白ではなく、黒でもない
その間でもない
青と呼ばれているが、そうではないだろう
それよりも灰みがかって
緑と少しの赤も加えた
見る者が見た
色をはらんだ
色をしている

上に揺れる光が
黒く澱む棲まで届くと
異なるつくりをした
まだらな電話が
這い出てきた

落ち切らない音符の底で
溢れる命に囲まれて
止まって死んだものは
ゆっくりと削れて
溶けていく
音が
聞こえる

生まれ過ぎて
圧し潰された
数多の命を
はらんだそれを
ひとは母と呼ぶ