かかとがスニーカーにきちっと収まらないようなそんな感じの日、お昼に商店街に行くのはほんとうに久しぶりで、夕方でも夜でもない商店街がちょっと笑っているように見えたのはわたしがすこし浮ついていたからだけですけど。食べ歩きしながらしゃべってる女の子たち、子どもを乗せた自転車は走ってても止まっててもなんかどきどきします。見るものがいっぱいすぎて多いはずのシャッターも今日は目に入ってきません。商店街の中にある一軒家ってちょっと窮屈そうでかわいいです。
あたたかくなってきたからかちょっと短めのスカートの女のひとがいて、それを眺めている男のひとがいて、なんかそんな予感がしてなにかを思い出したふりをして目をそらした先が魚屋さんで断り切れなくてタラの切り身を買ってしまいました。見栄を張ったわけではないんですけどふた切れ持たされたので今日はバター醤油でムニエルにして、明日は(グリルを洗いたくないので)煮つけでしょうか。うしろから楽しそうな笑い声が聞こえてくるのを無視して、果物の甘いにおいがする方に歩いていくことにします。
お魚を買ったのでいったん家に帰って、それからなにを思ったのかもう一度スニーカーを履いていつもよりずっと長く散歩して疲れ果ててしまって、こんなことでは山なんて登るどころではないなんて、別に登る予定はないんですけど。せっかくお魚があるからほかにもなにか作ろうってお惣菜も買わなかったんですけど、ねぎときのこくらいしかないから切り札の冷凍うどんなのかなとかちょっと工夫がなさすぎて、まだ夕方にもならないのにこんなに夜のことを考えてしまって、やっぱり昼に浮かれて商店街に行くものじゃないって思った一日でした。