ぐるぐる

ふっと自動で光るライトや急にこちらを見上げてくる犬にびっくりするばかりで、一度も行ったことのないお店が新メニューを出したり白くあせたポリバケツが新しくなってたりすることに気づいてもなんにもバランスが取れません。いつ割れたかわからない傷はいつの間にか膿んでしまって、金の浮彫りの額縁が彩る灰色の墓石の絵をつま先立ちで、いったん胸に手を当てて深く下に覗く風に聞いてみましょう。時間があったりなかったりするのは一日が24時間しかないと思い込んでいるからだって刺した糸が揺れるころです。

別れるときって自分がどこかに行くのか相手がどこかに行くのか距離感がわからないままおとなになって、色違いが普通の道のまんなかでしゃべりがちなひとたちはそこを降りたら寄り道してなにかを追いかけるのが楽しいだなんて思いもしないのでしょう。自分がいなくても世の中が回るならなんでそれをやらなければならないんだろうと思いながらそれをやる毎日をみんなもう何年も過ごしてきているのは知っていますけど、いつもの道のライトが光らないことになんだかびっくりしてそれを忘れてしまうのはいいことなのでしょうか。

すごく細いストローと下り坂になんだかなってペットボトルのふたをきつく締めて、自然の味がするって別にほめてないのにすごくいい気がするって思う日にはとりあえずなんでもやってみてって朝の占いで言ってました。でも朝に起きないから一日の占いなんて聞かないことにしたらちょっと固めのプリンもいいなってすこし幸せになった翌日のランチにすごいからいお店に連れていかれてなんだかバランスが取れてるって、しびれた舌が治らなくてあたたかい飲みものが飲めない午後のブラインドをぼんやりと見つめていたら怒られそうですけど。