つぶやき

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すみっこ

行きたい先にまるいしるし、足もとが冷えてきたら青りんごのようなだれかのほほえみを探して、片方を芯にし...
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カウンター

しおれるように消えた明かりは用意したお皿に収まらなくて、恥ずかしくないスイーツを好きでいなくちゃなら...
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サイネージ

港にはねる波は点々とモノローグにはじまりの物語を刻んで、だれを探しているのか明日になると思い出すはず...
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別の灯

高いところに行ったらなにもできなくなってしまうからかがやく星に手を伸ばすなんてこわすぎて、目の前を転...
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救い

ありがとうの高さや深さを計測するひとがときどきじゃまなことばを消してはお仕事ばかり、オフィスの机のす...
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道しるべ

十の位から借りてきた数字はどこかよそよそしくて、うすい夜にかすむ雲の底がほのかに白い横線を引いたらよ...
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降りて

いてはいけないひとがねじれたまま、放射状に咲いたオレンジのメロディが空っぽの部屋をいずれ満たしていき...
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合唱

行ったり来たりのしっぽに指がとまどって心臓の鼓動がうるさいとき、ひっそりとした街灯の下の木に咲いた花...
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手のうしろ

きれいな姿勢で腰かけて同じ間隔で連続する音符が写真になった瞬間にぴったりと波が止まってしまった画面の...
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初秋

とおくとおく弱酸性の雨が幕間とビルの間の花を濡らして、重なり合った水の模様はなにかを忘れるためにでは...