もうすぐ夜明け前におそるおそるつま先から降りたところがぽつぽつといくつかの居場所になって床にすわれるようになるまでに着替えた服をならべたらわたしの空気に足りなかった色のブラシを部屋にかけて、ひとりぶんのお皿とカトラリーと愚痴を棚に片づけて手を洗って、ひとはどうして窓を開けると上を向いてしまうのだろうとつもるほこりばかりを気にしていればマイナスをプラスにするふりができるってだれにも教わらなかった方法で玄関の掃除を終えたらまた手を洗っていったんたくさんの箱を捨ててきます。
染まりかたをわすれた空が雲になってひとりでに想像する青みがかった青緑はストローの中の海にうつらなかった残骸を反射してはるかとおくまで、いつかまちがって閉じた時間がねむるように動きを止めたのをずっと引きずって不安定な気圧と等間隔ですぎていく高速道路のトンネルの明かりにきゅっと縮むこころを消えていく足跡といっしょに砂浜に置いたまま、あのときのただいまの先のフォトフレームをはさまない切り取り線はわたしの裾をいつまでも断片的につかまえて離さないのです。
こわいものはこわいのだからとりあえずソファのはしっこでまだなじまないクッションをかかえて電気はつけたままつたわっていく水滴をぬぐってもぬぐっても表示される歌詞は嘘をつき続けて、たいせつなものにさわれないまましゃがんだ後ろで正解のテロップがさらっと流れてトルソーが欠けてことりとかたむいて、どうでもいい指先にささったとげなんて抜かなくてもやっていけるはずだったのですがどうしても朝になったらことばに詰まった昨日の青がわたしのマグカップを裁くのです。
