一人称

そばにいたら波の長さにまとめられて求められてもかかえ込んでまっすぐにしか進めないわたしでも傷がなおったらくもり空の上にある空に元気が出たっていいじゃないですか。そして急に冷えて重くなった空気は雨のことをその手のひらで受けとめていってらっしゃいが入ったちいさな箱をからからさせるのです。かばんをずっと同じ側にかけているのはよくないとかそんなことを思い出す夜はだいたいおそい帰宅になって床にちらばるわたしの抜けがらが目薬を多めにさすわたしを適当になでてくれました。

けれど翌朝のトーストが思いのほかさくさくでしたのでずっとぼやけていた視界も口角がほんのすこしだけ上がるくらいにはあかるくなってお昼の間奏の季節柄のしめっぽさに今日はサラダボウルのドレッシングを和風にしなければよかったかもとか思ったりしてそれでもだれにもいえないけどオフィスの片隅で息をしているという事実にホワイトボードを消すあれを手にして準備ができたらそこにいてほしいときに絶対にいないそのだれかを右下のすみっこに描いてみました。

かすれた間違いはこんな高い音が出るわけがなくていつかそういうときになったらハンカチを片手に祈るしかないならかたちのあるものもないものも信じたいときに信じるいいかげんなひとになりたかったのです。どうしてあたまの中にあるかもわからないゆれうごくもののために日焼け止めを塗ったり夜にねむれなかったりするんでしょう。だからまた帰りみちのひじ掛けにとまどってこれ以上やさしくすれちがわないように今(ただつぶやくだけでも終わるなら)呼んでおけばいいと思ったのです。