お皿に落としたプリンみたいにゆれて反射した夜にはじまるチャイムはけっこう気軽に信号から月にはしごをかけてくれていつまでもくすぐったくて金管楽器が苦手なわたしにもアスファルトにしみ込むあたたかな水のにおいの意味を聞かせてくれます。どんなに強がっても南風に満開の薔薇を一滴ぱちんと切り取れば白っぽいか黒っぽいかそれ以外の名前で呼ばれるような診察の結果はきっちり個包装で順番にお渡しされてこれからべったりと後ろに沈んでいくビルの窓にたゆたう処方箋におだいじにと書かれてたら大当たりですよ。
水の底はしずかだなんてだれが言ったんでしょう、もうすぐ朝にすぎる高速道路で歩いているのかおでかけしているのかわからなくなるまでその瞬間は続いて過去も未来もついでにまぜて靴下の長さがちがってもおめでとうといえることに心から感謝しています。考えても考えてもどこにも連れてってくれなかったのは帰る家がなければ帰らないから、さらさらな通り雨を試すまえに目がさめたのは神さまなんているに決まってるから、たぶんどれだけ積木をくずしてもあわせて飲まなければいけなかったのです。
色とりどりの傷のようなしるしと名前をつけた車の運転席はきちんと返事をしてくれるひとのように居心地がよくてそれが夢でもかまわなくなるくらいとおいひとみの天気予報が描く円とフレーズのしずかなかさなりからゆっくりと切りはなされていきます。わたしはとっくに天の川を渡って下道で水びたしなのですが向こう岸につづく家路になぐさめてもらおうなんて思ってなくてちらばって届かなくなった魂を待っているうちに会えなくなったなら坂の途中でこれからを呼び合わないようにしようと誓いました。
