急に大きくなって左右にとまどうカーソルがいつもより心臓の存在感を高めてくれたみたいで後ろ向きのタイムラインに点々と感情が記録されることでわたしがほんとうに生きていることが証明されます。なかなか入ってこないらしい真実とねむれない秘密はやがてぽつぽつと泡をふいて増えていくばかりの星くずにかさねると信じているものより信じていないものの方がずっとずっと多いことを思い出すのです。やせたっていいことはいままでひとつしかなかったからもう二度とものを口にすることのない群れのなかから選ばれませんように。
自由に年を取れるボタンがあればいいのにね、そしたら未来のあなたの先に植えたレモンがすっぱい実をつけるのを待たなくてもいいのにね、そうやって持ちきれないほどたくさんのむかしのひとのマグカップにふれたあたたかさを瓶の底にためたままどこかに行こうだなんて誘うからもうすぐカーテンの隙間からわたしをとおした景色をのぞかれても無視するんだし、いてもいなくても足もとにじゃれつくねこの気持ちが数ある約束のかけらくらいにまぶしかったらよかったのに、けむりみたいにまあるくなっちゃいましたけど。
高台の路地裏にひっそりとまるで置いてあるようにそこにあるタルト専門店の雨の日のお皿の色とかたちにあいさつするためにこれから傘を差す準備をします。だいぶ前にもらったせっけんがあとひと月もしないうちになくなりそうだからひとりでしあわせな結末を買っておくことをわすれないように、家であわただしくドリップするのもいいですけどこれから暑くなる前に一回はうす暗いところから淹れているところを白い枠線のなかにおさめておく必要があるのです。欲をいうならこんなときの包みにも首の曲線があてはまってほしいのですけど。
