わたしの内側の地図がたまにすきまを埋めようとするたびに着替えに困っていてがらがらのモールを歩いてもところどころで縦に長い絵に迷うから結局手作りっぽいラベルのジャムとかに落ち着いてしまいます。今日はコーヒーじゃなくてちょっと濃いめな平行線と紅茶の気分、カップにすべる鈴にいつの間にかつきそった夕暮れはわけもなく焦ってせっかく持ってきた本の文字を焼き切って、じっとたまっていくオレンジ色にふっと視線がずれたらおいしそうなベイクドチーズケーキがこれから来るから角砂糖はふたつまで。
ミニマルでもすっきりでもなくさっぱりした部屋にしたくて瓶の置きどころに悩んでも明日分のカロリーがたっぷりなマグカップとは暮らしてはいけません。毎日ほつれる袖の境目にしがみつくブックエンドのようなわたしのこころはわたしのからだのようなかたちをしていないからもうそろそろ卒業したいのですが、木目調の家具が午前4時くらいにちいさな空間をつくるときに銀のボタンがかわいそうにとつぶやくからここにすきなものをこれ以上ふやさないようにしなければいけないみたいです。
それでもほんのりあたたかいひとりごとはつやつやのポットから別れて歩き出しました。どこにいっても残るものがなくてテーブルにひじをついてはいけませんとおこられていたころはソファの裏のスペースがいちばん切りはなされたところでした。わたしはわたしをだれに届けるかきまらないまま玄関から外にほうり出されていっしょうけんめい咲いているふりをして書きかけの日記が冷凍庫で1000文字くらいのつめたい密度に数えられていくのもしらないまま昨日からきれいなからっぽの会話をしています。
