不在

そろえた靴のたしかさとうたう船をこぐ夏の翼がつむぐそのときのはなしにこころを動かされないように同期する結晶の中心は選ぶならゆっくりと櫛をとおす標本のように白い雨に外れたピントにまかせてすこしずつぬるくなる温度をクローゼットのすきまから拾ったのです。ベンチに置きわすれたけむりのような約束とおなじページばかり開いてしまう文庫本がひと月前に天の川からこぼれたやさしさをわたす手紙につづったことばをだれにも聞かれないうちに縫い目の奥にしまいましょう。

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