かざりたいものよりかくしたいものが増えるのがおとなになったしるしだって、わたしからていねいにつくろった返事は戻ることはないけれど無駄だとかばかみたいとかいう文字を思いつくことはないのです。からまわりしすぎていろんなものが足りないのに左側ばかり向いてるわたしを置きたいところに置けなくていろんなものをあふれさせてしまってねむれないままおなじくらいの近さとほんとうはつなぐ糸の結び目をどうやってきれいにことばとして織り上げられるのでしょう、そろえた手が会いたがっていました。
どこかの中でこだましていたいなんてもうそろそろつめたくなる季節にぜいたくな望みですから食べかけのりんごを型紙に起こすのはひとつお辞儀をしてからにして、呼吸ひとつ分の間隔を空けて整理した台詞を使いまわすひとは確かめたいことがないのでしょうか、この下に入っているいらない笑顔をはやく引き出しの奥にしまってむかしの歌詞のような型どおりのやさしさをどこかに消し去って、もしあのときに雨が降りつづいていればうまくいかないまま幸せだったのだろうと夢のように描きたいのです。
ふかくなってたくさんの小物が置きっぱなしの部屋でそっとだまっているのは理由を探しているから、ポケットなんかに入っていないこともだいじょうぶという口調もぜんぶ知っています。背を向けて踏みだした歩幅の不安定さに最初はおどろくでしょうけどパッセージについていった日付が変わる瞬間に目薬をさしてこの一日はフィクションで登場する人物はみんな架空のものだってどれだけたいせつにしてもほしいものをくれることはありませんからスマホが鳴っても無視しましょうね。
