今すぐ会いたいと歌う歌詞たちへ、6秒のあいだ待ったらきっとそんな気持ちは風にあおられてどこかにいってしまうんじゃないかなってちいさな船に乗って届けられたかりふわのフルーツをかじりながらたった100から200グラムの水を飛ばすために鏡の前で熱い空気を浴びています。せかしてもきらいなものがひとつ減るとすきなものもひとつ減るのですからどれだけ生まれなおしても足りないものはほんのりとまろやかなクリームのようにつないだキューティクルとさかいめのないまなざしだって片づけてしまえればいいのですけど。
いちごをころがして不透明なチョコレートをつまんだらクルーネックの服をぜんぶ処分してそろそろまっしろばかりのケーキのお皿の買い替えどきとかもっとほしがる止まった頭はベッド以外のところで寝たがってとてもおおきな木のテーブルのなめらかさをループする夢がどうしても忘れられません。足元をうつす問いかけはかすれる声と笑顔しか呼び止めなくて真夜中にヘッドホンをつけるのがこわいままおとなになってしまったわたしはソファに寄りかかることもなくなりました。
いつでもひとつ先の街灯にいるはずのない影をさがしているひとたちへ、これからしっかりした嘘をかさねていけばじゅうぶんに厚い壁のようなこころとことばになっていくからだいじょうぶです。まばたきのような長いおやすみをもらってもだいたいできないことばかりでおはなしを聞こうとしてもスモーキーグレーのオーブンレンジの窓ガラスの向こうでくつくつとこげていくはじめましてとさようならはどこにいたって手紙からこぼれるからとおくへ、とおくへ手をふって、明日はいろんなサブスクを整理する日です。
