素直

もうかわいいおもちゃで顔をかくしてすきなものを食べて血と肉にする子どもではなくなったのにしなくてもよかった引き出しの下の方のお掃除で再会した記憶の箱に書いていない手紙が多すぎて火照るほほをどうしたらいいのかわかりません。いつもひとりだけ過去形のひとは通奏する低音のように指示のない話をだれかとあわせ続けてたまにさえずる小鳥の声をたのしみにしているそうです。いっそのことカタカナで伝えたことをひらがなにしてしまっても構いませんからどうかすこしずつ重くなる未来の涙から解放してください。

ねむくてねむくてなかなか証明できない日々を過ごしていました。ひとが決めた日付が変わるとコーラスがひとみを開いて欲深くからみついた髪をすいてくださるのでまた明日もがんばれそうですけどまだ足りないとせかされてたしかに動く気持ちもないわけではないのです。無言の季節にもあたらしい風が吹くからだいじょうぶと前に進むためだけにあることばをみんな抱えてつながれて引っ張られてころんでばかりですがだいじょうぶと尋ねられてもすごくきれいな笑顔を返してくれます。

どこかの果てを見たひとはいないのにみんな簡単に雨が上がったりするから階段をのぼっていると勘違いして踊り場でただ息を切らしていました。いろんなお水を飲むたびにやすらぎの思い出がすりおろされて過ぎた日にひとことを添えるのが日記というものです。がまんできなかったころをおぼえていなくてもかざらないことばがしあわせな音に聞こえたときにようやく収まってきた火照りがずっと右にまわり出してだれの声でもなかったはずなのに引き出しを閉めても散らかったままのような気がするのです。