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BlackAsh | ■ 猛暑酷寒 | 2001/11/20 02:56 |
日々の戯言 | だからすごくどうしようもない一日だったんですよ! | |
今日(19日)の朝は妙に冷えましたね。 未明に夜空を彩ったしし座流星群が、冬の神様を手招きして誘ったのでしょうか。いよいよ星座は秋から冬へ、そろそろ真中の3つ星が有名なオリオン座が出てきたりなんかして、冬将軍に挑戦するように棍棒を振り上げ、誘っているのでしょうか。あ、「誘った」は「さそった」よりも「いざなった」の方が、いいカンジに大人風味な文章になると思います。 大人なBlackAshですから、まだ11月ということでコートは着ません。だって大人ですから。子供は風の子、といいますが、すると大人は風の親。風の親ですよ? 親が風に負けるわけにはいかないでしょ? あ〜寒い〜。 でも、一歩会社に入ると、いやこれがあったかくて。こう、寒いところから急にあったかいところに入って、眼鏡がくもってしまうのも気にならないほど、かなり青春気温上昇中、ガッツポーズの確率は100パーセントな私です。ああ、こういう会社が提供してくれるささやかな幸せから、社会人は会社に洗脳されていわゆる社畜になってしまうのかもしれないな、などと思ったあなたはちょっと身も心も安く売り過ぎていますので気をつけてください。ついでにさりげなく「きんぎょ注意報!」の下りを入れていることに気付いたあなたも、会社ではない何かに洗脳されかけていると思うので気をつけてください。 いや、ほんとうにあたたかくて。 小1時間ほどすると、うとうととしてきた人多数。かく言う私も、ちと危ない。 あたたか過ぎるんだよなぁ・・・ スーツの上を脱いで、Yシャツの袖をまくってもまだポカポカ陽気だからなぁ・・・ あ〜眠くなってきたよ〜ん。 「ね〜」 なんでしょうか〜? いつにも増してほわほわですね〜。 「あついですよ〜」 そうですねぇ〜。 あたたかくて、こう、まぶたが仲良しに・・・ 「寝ないでください〜」 お姉さんの声を聞いているとますます眠くなってきます〜。 「だ〜。だから、あつ過ぎますって〜」 暑過ぎる〜? え〜、そうですか〜? いいじゃないですか寒いより〜。 「ちょっと後ろのエアコンのコントロール・モニタを見てください〜」 え〜、めんどくさい〜。 ・・・はいはい分かりましたからそんなに背筋が凍るような顔しないで。目が覚めましたよ。 「室温は何度ですか〜?」 んーと。 何だ30度ですよ〜。 いい陽気じゃないですか〜。 ・・・って30度? 「あ〜。エアコン壊れてる〜」 30度? まじ? 夏ですよこれはッ。 これから海が開くような陽気ですよ? 何だか急に暑苦しくなってきました。 「ちょっと管理人さんに電話しますね〜」 はぁ。何だよ結局エアコン壊れてるのか。 だ〜、あちぃ。 「でも止めると寒いですよ〜」 そりゃ分かってるけどさ。 あちー。 ていうか暑苦しー。 「暑苦しいのはその無精ひげのせいです〜」 え? 私のこと? ぶ、無精ひげって、そりゃ失礼なッ。 今のばしている最中なんですよ。 「だって、全然生えてきてませんよ〜? それで何日ですか〜?」 ・・・1週間。 「え〜? 1週間も経ってるのにそれだけ〜? まだ2、3ミリくらいですよね〜? 全然だめじゃないですか〜」 た、確かに私はひげは薄いけど。 2日そらなくても分からないくらいだけど。 「それじゃ長くなってもみっともないですよ〜。地肌が見えるひげ面って最悪〜」 あうあう。 「こんな暑苦しいのにそんな顔してないで、さっさと洗面所行ってそってきてください〜」 うう・・・ がんばってたのに。 ひげが薄い私なりに、一生懸命育てていたのに。 ああ、我が子よ。我が子はこうも祝福されずに生まれてくるのか。 おお、神よっ! 「何が、神よ、ですか〜。はっきり言って似合いませんよ〜」 う。はっきり言い過ぎです・・・ わかりましたよ。明日そってきます。 「今見たくないんですけど〜? ひげそりはコンビニに売ってますよ〜」 仕事にならないからってむっちゃ注文が厳しいですね。 注文の多いお姉さんは好きですか? 「はい、いってらっしゃい〜」 ・・・ううう。 「ついでにブラックブラックガムをお願いしますね〜」 ・・・ううう。 何で私はこうも簡単に同じパターンに引っかかってしまうんでしょうか・・・ はぁ。行ってきます。 帰ってきました。 ああしょわしょわするひげの感触がなくなってしまった。 「あ〜。少しはスッキリしましたね〜」 少しですか。 ガムあげない。 「あ〜男前になったなった〜わ〜すごい〜」 ひどく投げやりなんですけど? もっとこう、情感を込めて、「ステキ♪」みたいな言い方でどうぞ。 「・・・早くガムください〜」 無視ですか。 結局、エアコンは修理ですか? 「みたいですね〜」 ということは。 「これからきっと寒くなりますよ〜」 だー。 猛暑の次は酷寒か。 い、いや。 結局ね。昼間中、修理していたんですよ、作業員の方々が。 フロアの中で。 それが、うるさいの何の。 わかります? 仕事にならないんですよ。作業の方々は悪くないんですけど、どうしても、せかせかと動き回って、はしごに登ったりしている彼らが気になって気になって・・・ 5時を過ぎても直らないで。 「え〜?」 何ですか・・・ うー寒いかも。 「今日は直らないかもだって〜」 ぐげげ。 そりゃないですよ。 どうするんですかこのたまった仕事はっ。 お姉さん、下のフロアの会議室に行きましょう。 もう日が暮れちゃって、これから寒くなる一方です。 「あ〜そうしましょうか〜。下は動いてるって言ってたから〜」 ・・・これで、夜の会社、会議室に2人きr 「みっちゃんも、Harrisonさんも、下の会議室に行きませんか〜?」 「オー。ソレハイイカンガエデスネ」 「行きましょうか。ここだと仕事にならないわ」 極めてあっさりと玉砕。 夕ご飯は絶対にあったまるものを食べましょうね。 主に私の心をあっためたいので。 で、下に降りて、仕事してたんです。 「あ〜!」 何ですか急にっ。 「上に書類忘れた〜」 がんばって取りに行ってきてください。 「だ〜。めんどくさい〜」 しょうがないですよ。 いってらっしゃい。 ・・・ってオレも忘れてるじゃんかよっ! ていうか上のパソコンに入っているメールに添付してある書類! パソコン起動するまであそこで待つのかよ・・・ 暑かったり寒かったり・・・! こんな会社の社畜になんか絶対になってやるもんか! 「でもこんなに夜遅くまで残業するあたしたちは、もうりっぱな社畜かも〜」 い、言わないでください・・・ 寒くなるから・・・ |
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BlackAsh | ■ 不定期連載〜ファミリーマートで捕まえて 第10回 | 2001/11/19 02:31 |
日々の戯言 | ◆第1回〜第5回◆、◆第6回◆、◆第7回◆、◆第8回◆、◆第9回◆、◆Interlude◆、◆Interlude2◆はこちら | |
もう、すっかり外は秋から冬へ、確実にその風の匂いが変化していて。 本当は、今日は会社に行かなければならなかったのですが。 気力が全くと言っていいほどわいてこなくて。 そもそも今日起きたのが午後4時という中途半端さ。確かに寝たのが午前7時だから仕方ないけれど。 それにしても、ほんとうに、何もする気にならない。 そんな、晩秋の日曜日。 起きて、無性に喉が乾いて。 煙草すらも吸えないほどに、喉が渇いて。 秋だからこんなに喉が渇くのか、と、理不尽なことを考えてみたり。 重い身体を引きずって、私は外に出ました。 マンションのドアが開くと、冷たい外気が身を包みます。 今日の東京は、晴れてはいるけれど、雲が漂って。その中途半端さに、私は私を重ね合わせて。重ね合わされたお天気の方は、きっとすごく迷惑だったんだろうけれど。 飲み物と、ついでに煙草を買うために、私は外に出て。 自然と、足は、近所のファミリーマートへ。 どうしても、そこへ行ってしまう私に私は少しだけ苦笑しながらも、足は、いつものファミリーマートへ。 この1週間、ただの一度も、彼女に会えなかった、ファミリーマートへ。 セミロングの黒い髪を後ろで二つに束ねてファミマの制服を着た、あの女の子が、ずっといない、ファミリーマートへ。 きっと、最近一番売上に貢献しているに違いないって。 苦笑、というより、半分自分への嘲笑にも似た、私の笑い。 そして、ファミリーマートのドアが、開きました。 「いらっしゃいませっ」 入った私を迎えたのは、レジに1人で入っていた店長の声。 投げかけられた声に、なぜかちょっと会釈してしまって、そこでまた、苦笑。 店内をざっと見回したけれど。 彼女は、いません。 セミロングの黒い髪を後ろで二つに束ねてファミマの制服を着た、あの女の子は、いませんでした。 入口からすぐに左に行くと、雑誌のコーナー。 何とはなしに、そこへ足を進めて。 乱雑に積み重なっている、雑誌たち。もっと、ちゃんと、整理しなくちゃいけないんじゃないの? 明日、少年ジャンプの発売日だよ? どうでもいいことを考えながら、適当に雑誌を手に取ります。 店内放送では、浜崎あゆみの年末のコンサートへの案内が流れ。 1冊、流し読みで読み終えて。 そういえば、近代麻雀を読んでいなかったなぁ。 ・・・あ、あったあった。 確か先月で、最終決着がついたんだっけな・・・ しばらく、何の気なしに、ページをめくっていました。 「・・・いらっしゃいませ、こんにちは」 後ろから、ささやくように。 いきなり声をかけられて。 女の子の、声。 静かな、でも鈴がコロコロと転がるような、声。 聞きなれた、声。 その時私は、きっと光よりも速く、振り向いて。 見慣れた制服。 見慣れた背丈。 見慣れた髪型。 見慣れた眼鏡。 見慣れた笑顔。 10冊くらいの雑誌の束を胸に抱えた女の子が、笑っていました。 私を、少し見上げるようにして。 少し、首をかしげるようにして。 メガネの奥の大きめの目が、まぶしそうに、細められて。 それはまるで、冬、マフラーをつけてダッフルコートを着た少女が、散歩の途中の公園で、初雪が空からひらひらと舞い落ちてくるのを見つけて、大きく手を広げながら、うふふっ、と笑って天を見上げている時のように。 「こんにちは」 抱えた雑誌の束のせいでそんなに大きくは出来なかったけれど。 ちょっと、頭を下げて。 お辞儀をして。 「こ、こんにちは」 呆然としている私の足元に、雑誌の束を置きました。 「・・・ちょっと、ごめんなさい。棚の整理をしなくちゃ」 「あ、ああ・・・ 失礼」 私は、少し脇にどきました。 そんな私を見た彼女が。 私を、そっと、確認するように眺めた彼女が。 すうっ、と。 そよ風のように微笑んで。 なぜ微笑んだのか。 それは今、こうしてこの部分を書いている、今この時点になってもわからないのだけれども。 そして、ファミマの制服を着た彼女は、そこにしゃがんで、雑誌を一つ一つ、並べ始めたのでした。 ほんの少しの時間だけ、2人とも、何もしゃべらずに。 私は近代麻雀を読み、女の子は雑誌を片付けて。 沈黙の時間の海にたゆたう2人。 1週間ぶりなのに、何も話すことはなく。 そしてそれが、ほんとうに自然なことのように思えて。 並んでいる、ただそれだけで。 風が時間とともに流れていって2人を包み込んでいくような、そんな気がして。 まるで、ずっと前から、こんな時間が2人の間で続いていたような・・・ まるで、ずっと前から、こんな時間が2人の間で続いていて、今もいつものように、まったく普通のことのように、こんな時間が流れているような・・・ まるで、ずっと前から、こんな時間が2人の間で続いていて、今もいつものように、まったく普通のことのように、こんな時間が流れ、そしてこれからも、こんな時間が2人の間で続いていくことがはっきりとわかっているような・・・ まるで、全てが夢であったような。 そんな、時間。 それでも。 夢はいつまでも夢なのかもしれなくて。 私は、近代麻雀を読みながら。 さりげなく。 いや、さりげなく聞こえるように。 夢がずっと夢であり続けるように願い。 口を開いたのでした。 「・・・バイト、復帰したんだ」 とたんに凍りつく、2人の時間。 はた目にも明らかに、女の子の身体がびくりと動き。 雑誌を整理する手は止まり。 それで、はっきりと分かったのです。 まるで、一枚のガラスに放射状にひびが入っていくように。 夢は崩れ去っていきました。 「・・・お父さんが、時間が早ければ、いいって」 「そ、そうなんだ・・・」 答えて、雑誌のページを意味もなくめくります。 「だから、店長に言って、昼間とか、夜の早い時間にシフトを移してもらったの」 「そうなんだ・・・」 再び、女の子が雑誌をまとめ始めます。 私も、雑誌を読み始めて。 また、時間が流れていきます。 それでも、その時間は、ひどくリアルに、まるで目覚し時計が鳴り響くような騒々しさで、2人の間を流れていって。 店内放送の、浜崎あゆみの年末コンサートの案内が、また。 ふと、下の方から、視線。 読んでいた近代麻雀をずらすと、そこに、上を見上げている、女の子。 いつの間にか、私の足元のすぐ近くまで移ってきて、そこで雑誌を整理していたのでしょうか。 私の足に身体が触れるか触れないかのところまで、そっと、音を立てないように、気付かれないように、少しずつずれてきていたのでしょうか。 雑誌の表紙の向こう側にあるであろう私の顔を見詰められるようなところまで移動して、いつから、見詰めていたのでしょうか。 見えるのは、雑誌の表紙だけなのに。 けれど、雑誌は今、ずらされて。 私を見上げる女の子のひとみが、私の目に直接入ってきて。 こんなに近くにいて、こんなにまっすぐ私を見上げて。 それでも、そのひとみは揺れて。 親鳥を待つひなのように。 クリスマスの夜に一人母親の帰りを待つ子供のように。 7月8日に天で星の彼方を見詰める織姫のように。 こんなに近くにいるのに、とても不安に揺れて。 それに私は耐えられなくて。 再び、雑誌を読み始めて。 彼女の視線を、遮って。 雑誌をまとめる手の気配すら、感じないようにして。 それでも。 さっさと雑誌を読むのをやめて、ジュースを買いに行けばいいのに。 さっさとカップラーメンでも買って、家で早く食事をすればいいのに。 さっさと煙草を買って、食後の一服を楽しめばいいのに。 どうしても、そこから離れられなくて。 もう読んでしまったところを、また読み始めて。 そして、また口は開いて。 一層のリアルを2人に押し付けるのは分かっていながらも。 「・・・いつ、行くことになりそうなの?」 動揺の気配は、もう私の心を切り裂くことなく。 いや、きっと私の心が切り裂かれたのに私が気付かいようなふりをしていただけだったけれど。 女の子は、ぽそっ、とつぶやいたのでした。 「・・・今年中」 リアルは迫ってきて。 あと、1か月くらい・・・ 「・・・ほんとうに、行くことになりそうなの?」 「・・・うん」 リアルはさらに迫ってきて。 1か月くらいで、彼女はほんとうにイギリスに行ってしまう。 何で? 何でそんなことになったの? 何でイギリスなんかに行かなければならないの? 何でこんな中途半端な時期に行かなければならないの? 訊きたい。 訊きたいけれど。 それはリアル過ぎて。 突然、女の子が立ち上がりました。 私にぶつかりそうに・・・ いや、私にぶつかってくるように、立ち上がって。 私の目の前で、立てかけられた雑誌の整理を始めて。 私の方を見ることなく、ただ、淡々と、彼女のすべき仕事をして。 しばらく、2人はほんとうに近くに並んで。 片方は雑誌を読み。 もう片方は雑誌を整理し。 何もしゃべらないで、ただそれをするだけで。 「すいませーん! レジお願いしまーす!」 沈黙を破る、まさに破る、レジからの声。 レジには4人ほど行列が出来ていて、それをさばいている店長が、呼びかけたのでした。 雑誌をまとめる手が止まり。 引き裂かれるような、心の中。 女の子が。 一瞬。 声にならないうめき声をもらして。 それは嗚咽に似ていて。 「・・・はーい!」 りんとした返事が、女の子の口から響きわたりました。 手早く一応の整理をつけ、ぱんぱん、と手を払って。 きびすを返しかけて。 私のひとみを、まっすぐに見詰めました。 一瞬、何も見えなくなって。 私は、思わず雑誌を取り落として。 女の子が、素早く私の落とした雑誌を拾い上げて、棚に戻します。 そして、今度は私を見ることもなく、レジの方を向きます。 二つにまとめられた髪の毛が、去っていこうとします。 待って! そう叫んだのは心の中だけ。 代わりに私の口から出たのは。 「・・・ほんとうに、行っちゃうんだ」 どこに? レジに? ・・・イギリスに? レジに走りかけた女の子の足は止まり。 私を、もう一度見てくれて。 「しょうがないよ・・・ 行かなきゃ・・・ あたし」 どこに? レジに? ・・・イギリスに? 「お願いしまーす!」 ちょっとじれたような店長の声。 女の子がそれに答えようと口を開きかけたのを、私は見ました。 でも、声は、出ませんでした。 声にならない、声。 彼女が、声を詰まらせて。 そして、その手のひらで、口を押さえて。 何かを振り切るように一回だけ首を思い切り振りました。 それを、私は見たのでした。 女の子が、駆け出しました。 「すいませーん!」 今度は、彼女の声がきちんと出て。 彼女はレジに入ります。 それを見届けて、私は雑誌を置いて、何も買わずに、ファミリーマートを出ました。 「ありがとうございましたー!」 私を送り出したのは、忙しくレジを打っている店長の声でした。 |
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BlackAsh | ■ 女子中学生研究記 Part4 | 2001/11/18 00:20 |
日々の戯言 | ◆Part1◆、◆Part2◆、 ◆Part3◆はこちら | |
何も愛することは出来ないわ 今回は「ああっ 女神さまっ」で始めてみました。ベルダンディ万歳。 そうなんです。悲しみを恐れていたら、何も愛することは出来ないんです。女子中学生と付き合って、やがて別れが訪れるとしても、それはその時のこと。青少年保護育成条例とかにひっかかっても、それはその時のこと。 失う悲しみを恐れていたら、何も愛することは出来ないのです。 女子中学生を愛する気持ちでは誰にも負けないBlackAsh、今日も六法全書を携え発信です。 ←弱っ さて、第3回からまだそんなに日が経っていませんが、第4回の発表です。 入り方が前回の研究記と同じですが余り気にしない方がいいです。月1回のnicolaの発売日を待てないんじゃないか、という推測もしない方がいいです。そんな細かいことを気にしていると女子中学生にモテませんよ? という反論では女性からの突っ込みを防げません。どうしたらいいんでしょう。 そうです待てませんでしたッ! ←開き直りっ! ←って開き直りかよっ! ←三村風 ←それ使い古されてます ←テキストサイト100の法則の52番目にも書いてあるって ←ていうか突っ込み長えよ! だからつまりこの女子中学生へのあふれる思いをどうしたらいいのか、ということですね。 もう、一つしかありません。 新しい雑誌を買うしかないのです。 今回は、 ◆ラブベリー 12月号◆ です。徳間書店さんからの発行、何と創刊号です。毎月1日発売。 本屋さんの閉店ぎりぎりの時刻で買ったんですが、レジへの行列に一緒に並んでいた20代後半くらいのセミロングの黒髪の女性が、私を見て、『マジ?』というように目を丸くしていたことは、この際気にしている場合じゃありませんよね? ていうかですね。 「ラブベリー」って、「Love Berry」ですよね? 「berry」という英単語ですが、まあ一般的には「いちご」とか「ベリー類(ラズベリーとかブルーベリー)」ですが。 スラングで、その、あの・・・ 「睾丸」という意味があるのをご存j (一部音声が乱れております。しばらくお待ちください) 大変失礼致しました。衛星放送の電波の乱れにより、一部お聞き苦しい点がございましたことをお詫びいたします。 コンセプトは、あくまでも「かわいい女の子応援マガジン」ということで、対象年齢は女子中学生あたり。「創刊3号連続BIG企画 第1弾!」と銘打って、雑誌の付録として「ラブベリー特製ネックレス」がついています。ていうか当然私も持っています。形状は、チェーンにペンダントヘッド、そのペンダントヘッドは、1センチくらいの赤いイチゴのアクセサリー、そのへたの部分が金の王冠のようになっていて、こう、何と言うか・・・ かわいらしいですね♪ うんうん。 ま、かわいいことはいいことです。 コレ、会社につけt (一部音声が乱れております。しばらくお待ちください) 大変失礼致しました。台風接近による電波の乱れにより、一部お聞き苦しい点がございましたことをお詫びいたします。 で、雑誌の特集ですが、「おしゃれデビューはおまかせ!」という、冬服のおしゃれのコツを解説したものでして、その特集の細目として、「どっちでいく? ピンクVSブルーの冬」(それぞれの色を基調にしたコーディネート法。私は青色が好きなのでブルー派ね)や、「悩みはすべてデニムが解決★」(デニム生地、主にジーンズのコーディネート)、「絶対「パッチリ目」になる!」(目を大きく見せる化粧テクニックなどの解説。そういえば今まで研究してきた雑誌はほとんどこの「目をパッチリ」を特集していました。浜崎あゆみにより大ブレイクしたと思われる、今の流行ですね)などが組んであります。 そして、その中でもひときわ目を引いたのが、 『2つ結びヘアアレンジ 1カ月カレンダー』(髪の毛を後ろで二つにまとめる方法の解説) ・・・うああ萌えッ! マジ萌えッ! コレだよ! 私が求めてたのはっ! みんなこの雑誌買って! そしてこのページだけでも見てっ! かわいさ絶頂だYO! ←えーと・・・ 大丈夫ですか私? ・・・あ。 これって、まさにファミマの女の子だ・・・ ああ・・・ ど、どうしたらいいんだろう・・・ ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ (ちょっと! 早く巻いて先に進めてくださいっ。時間おしてます!) た、大変失礼致しました。 それでは、気を取り直して・・・ 今月号の特集に、 「彼のハートまるわかり 心理テスト18」 というものがありまして。 そうです。男の子の心がこれでもうセキララ大開帳、これをご覧になった女性読者は男を手玉に取り放題、そして男性諸氏は、女性にどのように把握されているかが分かるというスグレモノ。 なお、心理テストの結果は、◆ココ◆をクリックすると、自動的にあなたのメールアドレスに届いたらすごく楽だろうなぁ、と思う今日この頃です。もとい、この研究記の一番最後に結果を載せておきます。あとでご参照くださいね。 ・・・って前回の研究記のオチをコピペしたんですか私っ! 買い物で、レジで「680円です」と言われました。彼のお金の払い方は? 男の子の心理に迫った後は、女の子の心理にも迫りましょう。 恒例の、投稿コーナーです。 ここでは、 「ホントのトコロ、みんなどーなの? 中学生の恋愛白書 最新版」 という特集が。 「最新版」とありますけど、確かこの雑誌創刊号でしたよね? 何か昔のアンケートを改訂したわけではないですよね? 「最新版」ってそりゃ創刊号だから当たり前ですよね? (時間おしてますっ!) あ、はいはいそれでは行ってみましょう。 ていうか、さっきから時間時間って言ってるあなたは誰ですか? 両思い編 両思いの傾向と対策 カレとよく行く場所 平均台はどうかと思います。 恋愛初心者ちゃんのそこが知りたい20 キスするのにいい場所は? プールの水、口の中に入りますよね。 プールの中で(以下4文字検閲削除)したことのある人、手を挙げてください。 両思い編 両思いの傾向と対策 ズバリ! カレとはどこまですすんでる? 「チュウしました」 9月15日は敬老の日ですね。敬老の日のチュウ、おめでとうございます。何がおめでたいのかわかりませんがとにかくおめでとうございます。2003年から、敬老の日は9月第3月曜日です。この変更には結構反発があったと聞きますが。日付を特定されない「敬う日」ってのもねぇ・・・ なお、エルサルバドル、グァテマラ、コスタリカ、ホンジュラス、ニカラグア各国の独立記念日でもあります。 ていうか、この「すすんでる?」の項の中に、「チュウしました」までしかないのはどうよ? 中学生のおう盛な好奇心は、もっと、もっと大人になりたくて・・・ もっと、先に進んでしまうもんです(そう決めました)。 そう、たとえば、こういう風に・・・ パラッ きれいに整頓された部屋。レースのカーテンが、夕暮れの日差しを和らげる。 ありすは、机に座り、日記帳を開いた。 毎日つけている日記は、中学に入ってから、もう続けて丸2年。うれしいこと、かなしいこと、たのしかったこと、つまらなかったこと・・・ 2年間の彼女の日々の思いが、細く整った字で、つづられている。 9月15日 晴 そう書いて、ふと、ありすの手が止まる。 繊細な、少しだけ栗色の髪が、背中から腰にかけて、さらさらと流れる。彼女が、少しうつむきながら、ため息をついたのだった。 北の大地に降り積もる純白の粉雪のような肌。それが、うっすらと、朱に染まる。 ほっそりと、触れたら壊れてしまいそうな、すらりと形よく伸びた指が、ペンをいったん置いた。 切れ長の目が、かすかに揺れる。 ペンを置いた指が。 ほんの少しだけ薄い、小さな唇に。 触れた。 まるでドライフラワーに触るように、そっと。 まるで小鳥を撫でるように、優しく。 再び、ペンを持ち、ありすは続きを書く。 書こうとしてペンは止まり。 ペンを持ち直して。 また止まり。 動く。 初めての、キスをした。 今日の日記を書き終えて、ありすは、椅子に座ったまま、何とはなしに、ぼおっと窓の外を見詰める。 すでに夕焼けはその最後の紅い光で懸命に空気を染め、次第に、夜が迫ってくる。 夜。 静かな夜。 全てを包み込む、やわらかいヴェール。 残照に一瞬垣間見えた、今日の日記。 初めての、キスをした。 公園で。 彼のくちびるが、やわらかかった。 窓の外の街灯は、もうとっくにその光を灯し、硬質の光を道路に投げかける。 硬い、光。 けれどもそれは全てを照らすことはない。 数メートルからは、夜の闇。 全てを包む、夜の闇。 全てを等しく、やわらかく包み込む、夜の闇。 やわらかい、とは・・・? それはきっと、今日のこの夜のように。 怖くて不安でふるえる時もあるけれど、全てを包み込む、やさしい、やわらかい夜の闇のように。 あんなに、やわらかかった・・? ありすは、窓の外を見ながら思う。 夕暮れの公園で、彼がありすを見ながら言った。「・・・しよう」と。 怖かった。不安だった。 ふるえてしまった。 でも。 彼の腕は、やわらかくありすを包んでくれた。 彼の胸は、やわらかくありすを暖めてくれた。 そして。 彼の唇は、やわらかくありすのそれと重なった。 わけがわからなかったけれど、彼の唇が、驚くほどにやわらかかったのを憶えている。憶えている。ありすの唇は。 あんなに、やわらかいなんて。 私のも、あんなふうに。 やわらかかったのかしら・・・ やわらかくて。 怖かったけど。不安だったけど。 やわらかくて、気持ちよかった。 窓の外で強い風が吹いた。 風の音が窓を揺らし、飛んできた葉っぱが一瞬だけそこに叩きつけられた。 夜の闇はいよいよ深くなっていく。 やさしく、行く手を遮る、夜の闇。 これから・・・ 私たち、どうなるのかしら・・・ ありすは思う。 まるで真っ暗な夜の闇の中にいるように、明日からの2人が、わからない。 あまりにも闇が深すぎて、その先が、見えない。 やわらかく、行く手を遮る、夜の闇のように。 知識としては、知っていた。 これから、私たちは・・・ いっしょに、寝たりするんだ。 また、キスして。 お互いの身体を触って。 そして。 最後まで。 行ってしまうんだ。 彼は、私を・・・ 抱いてくれるだろうか。 醜かったりしないだろうか。私の身体は。 汚かったりしないだろうか。私の身体は。 ありすは、自分の胸に、少しだけ触れてみる。 まだ、セーラー服の上からでは、それほど膨らみが見えない、ありすの胸。 まだ、まるで夜の闇の中にいるように何も分からない、ありすの胸。 少し芯が残っているが、それでもやわらかい感触が確実に伝わってくる、ありすの胸。 夜は、更けてゆく。 ありすをやわらかく包み込みながら・・・ すいませんこの続きはあとでこっそり書いて自分でいろいろと満足することにします。 <研究成果> 次号(創刊第2号)も付録がつくと思われるのでそれに期待して買い。今回がネックレスだったので次は指輪希望。サイズは25号で。 ←で、でか過ぎッ! <心理テスト結果> 質問 買い物で、レジで「680円です」と言われました。彼のお金の払い方は? 1 きっちりと小銭で支払う(足りない時は人に借りる) 2 おつりを計算して支払う(1080円を出しお釣りを400円にする) 3 最初からお札を出して払う 1=リーダーシップの取れる行動派。でも、時々強引になるところがたまにきず。 2=細かいところにまで気がつくナイーブなタイプですが、逆に傷つきやすいという弱点もあり。 3=ダイナミックで束縛されるのが大嫌いな自由人。協調性はあるけれど、責任感と持続力に欠けるのが欠点。 ナイーブ! ナイーブですよ私! さあこれを見ている婦女子の方々、こんなにも繊細で傷つきやすいナイーブな私はどうですかっ? 質問 授業中に居眠りをしてる彼。その寝ている姿は・・・? 1 机にうつぶして寝る 2 腕を枕に、顔を横向きにして寝る 3 両肘をついてあごを乗せて寝る 4 大胆にもあお向けになって寝る 寝ている時の格好には、自分でも気がつかない性格が出ています。 1=実は独占欲の強い自己中心的タイプ 2=おだやかで他人に安心感を与える性格。初対面でもすぐに仲良くなれる特技の持ち主。 3=普段は明るいけど意外と神経質かも。人のことに一生懸命にがんばるけなげなタイプ。 4=細かいことにクヨクヨしない大らかなタイプ。でも、女の子に対してはちょっと無神経かも。 ほら! 他人に安心感を与えますよ私! 穏やかですよ! どうです! どうですかそこのお嬢さんっ! |
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BlackAsh | ■ 記憶力 | 2001/11/16 02:48 |
日々の戯言 | さて、帰るか・・・ | |
今日のお昼過ぎ、大体午後2時くらいのことでしたか。 「手紙ですよ〜」 あ、事務のお姉さんありがとう。 んーと。私宛に、季節はずれの挨拶状ですね。ま、外資だと別に4月にならなくても転職というケースは腐るほどあるわけでして、これもその類なんでしょうね。 なるほど、この会社に転職したわけですか。う〜ん確かここは給料がよかった記憶が・・・ 「それなりに多くもらえますよ〜、そこ〜」 やっぱり。 経営基盤も、アメリカの本社がしっかりしているはずです。 ああ、確か私はここに一回仕事で行ったことがあったかも。 「そうですよ〜。課長と一緒に行ってました〜」 やっぱり。 それで、受付のお姉さんがとてもかわいくて、感動した記憶があります。 ビルも、いいところに入っていて。清潔で空調も快適、社内の設備もかなりいい感じだったです。 「やっぱお金のあるところは違いますね〜」 そうですね・・・ で、この転職した方は誰でしょう? 「・・・肝心なコト忘れてるじゃないですか〜!」 という感じで、私は、人の名前とか人の顔が、ほんとうに憶えられないのです。よくこれで社会人をやってられるな、と我ながら感心してしまうくらいに、憶えられないのです。どれくらい憶えられないかというと、いつも仕事をやっていて、会う人会う人全員がみんなカボチャに見えてしまうくらいだったらきっと私はどこか脳の病気だと思うのですが、むしろ仕事をしていて、『大仕事だけど、みんなの注目を集める仕事だけど、緊張するなオレ。大丈夫、大丈夫だぞオレ。他人の視線なんて気にせずにただ黙々と仕事するんだ。そうだ、いっそみんなカボチャだと思ってしまえ』と自己暗示をかけているのでもしかしたらそのせいかもしれなかったらやっぱり私はどこか脳の病気かもしれません。 ていうかそんな自己暗示はかけないでくださいオレ。カボチャと一緒に仕事は出来ません。 でも、何だか他人がいきなり声をかけてきて、それが妙に親しげだった場合、普通ならば、『あ、どこかで会った人だな』くらいは思い出すものです。しかし、私は、それすらも思い出せず、『えーと誰だっけこの人・・・』と考え続けて、その人と話している最中もずっと考え続けて、その人と別れた後もずっと考え続けて、その日の晩ごはんを食べている時もずっと考え続けて、次の日の朝起きてからもずっと考え続けて、そして今に至るわけです。 いや、ほんと思い出せないんですよ。誰だったっけ・・・ 幼稚園で私が年少うめ組だった時に話しかけてきたあのスポーツ刈りの男の子は。 というわりとナチュラルに嘘だということが分かるこの段落に、残業中の会社ただ今深夜の1時というこの状況で、30分もかけて書いてしまった私はやっぱりどこか脳の病気かもしれません。 しょうがないので、どうにかして憶えようと、いろいろと対策を考えてはいるのですが。 初めて会うクライアントの場合、名刺をもらい、ミーティングが終わってまだ記憶が鮮明なうちに、そのもらった名刺の裏に相手の特徴を書いておく、というのもひとつの手段ですね。 でも、その特徴を書く時に、『ハゲ』とか『小太り』、『猪木ばりのアゴ』、『幸薄そうな男』とか書けますか? 初めて会った方に失礼じゃないですか? 『袖口から刺青覗く』とか『左手小指欠損』って私やくざと会ったんですか? ましてや『麻雀で大敗』とか『一日快晴だった』とか『一緒に食べたラーメンすげぇ美味! 今度また行く! 絶対』とか倒置法まで使って書いてあったとしたらそれは日記じゃないですか? むしろそのラーメン屋の場所を書いておくべきだったんじゃないですか? ああ飯田橋のラーメン屋おいしかったなぁ。飯田橋のどこだったか全く思い出せません。記憶力の欠乏は深刻です。 とここまで書いて、急にラーメンが食べたくなって会社の近くのラーメン屋で一杯食べ、まだ仕事があるというのに生ビールを2杯も飲んでしまった私はやっぱりどこか脳の病気かもしれません。 あ〜気持ちいい〜。 つまるところ私は人の顔とかをなかなか憶えられないんです。 というようなことを、昼間の手紙が来た後、30分くらいお姉さんと話してたんですよ。 というわけなんですよ、事務のお姉さん。 「わかりました〜。つまり、脳の病気ということですね〜」 いやポイントはそこではなくって。 「そうだと思ってたんですよ〜。脳の病気じゃなくて、どうして10分前に入れたミーティングのスケジュールを忘れられるんですか〜?」 ・・・え? 「会議室Aで、ミーティング始まってますよ〜」 ぐえ! そ、それを早く言ってください! ひえー。な、何のミーティングだったっけ? 「とりあえずメモ帳と〜。はい、このファイルを持って〜 ・・・名刺は持ちましたか〜?」 は、はい。持ちましたっ。 「上着を着て〜」 うああっ。 危ない危ない。 「あ〜。メモ帳だけじゃダメですよ〜。ペンは〜?」 あ、ありがとうございますっ。 あとでコーヒーでもおごりますよっ。 「楽しみにしてます〜。それじゃ、いってらっしゃい〜」 見事にだまされたんですが何かッ!? 「わ〜い昨日のお返し〜」 あまりに悔しかったので、ようやく残業が片付いた、ただ今午前2時半、コンビニで官製はがきを買ってきて、会社のプリンタで、お姉さん宛に転職の挨拶状を印刷しています。 当然差出人は架空の人で。でも、ほんとにいる人とかぶるとさすがにまずいので、しっかりとお姉さんの机に置いてあった名刺ファイルを見て、名前が一致しないようにして・・・ ぐふふっ。 明日が楽しみですね。 |
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BlackAsh | ■ 夜はこれから | 2001/11/15 01:09 |
日々の戯言 | 『これから』じゃなくていいです・・・ | |
えーとですね。連日睡眠時間が3時間を切り、しかも明日までの仕事があと3件ほど残っている状況で、文章を書いてみるとどうなるのか、今実験してみようと思いまして、こうして日記を書いているのですが。 いや、ハイになる、というよりも、ただただ落ち着かないですね。オレ、はたしてこんなことやってていいのだろうか(いやよくない←反語)、という思いでいっぱいで、ほんと落ち着かないですよ、今(←倒置法)。 どのくらい落ち着かないかというと、ちょいと、いやかなり前、期末の試験を明後日に控えた日、『本日50個限定! たまごっち!』の行列に並んでいたんですが、何度数え直しても自分が50か51人目という状況で、おもちゃ屋の店員が人数を数え始めた時くらいに落ち着かないのです。 たとえが古過ぎる上にたまごっちを持っていない、ていうか結局52人目だった私が言うのもなんですので、もう少し分かりやすい例を挙げると、えんえんと話し合って、もう深夜4時くらいになってしまった電話で、女の子が、ていうかその時の彼女が、『あたしたち・・・ もう・・・』と言ったところで突然携帯の電池が切れてしまい、自宅の電話でかけ直そうか、それともかかってくるのを待とうか、充電器に置いた携帯電話を見詰めている時くらいに落ち着かないのです。 こんなテンパっている時に昔のことを思い出すと、ロクなことがないですね♪ 一生懸命語尾に音符をつけてごまかそうとしてますけど、この文章を書きながら素でヘコんでしまった今の私を誰か守って! ついでにぼくの地球も守って! とまあ、いきなり少女漫画ネタでオチをつけてしまったことを反省している私です。ほら、このオチは『ぼく地球(たま)』を知らない人には全く分からないじゃないですか。BlackAshは、万人が等しく楽しめるテキスト、読み手を選ばずに笑えるテキストを目指しているのですから。 そうなのです。BlackAshの日記は、限りなく普遍的なエンタテイメントを志向しているのです。誰もがおかしくて笑えるテキストを、日々書いていきたいのです。そのために、普通の日常、普段の生活に見出す楽しみを、いつも見過ごしてしまう出来事、いつも身の回りを流れていってしまう事象から見付けるおかしさを、この日記に書くのです。 そうすれば、きっと、貴重な時間を使ってモニタを見てこの日記を読んでくれた人は、みんな楽しんでくれるはずです。その面白さはきっと言葉の壁を超え、貴重な時間を使ってモニタを見てこの日記を読んでくれたアフリカの原住民の方々も、思わず『ウバムロフベニャ!』(超訳:うわむっちゃ楽しいやんけこのテキスト!)と笑ってくれるはずです。そして、この面白さは種の壁すらも超え、貴重な時間を使ってモニタを見てこの日記を読んでくれた馬やアワビや黄色ブドウ球菌やゴルジ体(複合的な膜系からなる細胞小器官。小胞体で合成されたタンパク質をあつめて修飾・加工した後,小胞にまとめて細胞膜,リソソームに輸送する役目を持つ)も、みんな喜んでくれるはずです。 私の細胞の中のゴルジ体は楽しんでいるでしょうか? ・・・なになに? 『#ンf@」w_¥^!&!』だって? ああよかった。楽しんでくれているようです。 でも、ゴルジ体。悪いんだけどさ、さっき上で紹介したこの写真のどの部分がキミなのか、私にはわからないよ。 ゴメンな、ゴルジ体。 とまあ、ゴルジ体に謝っているうちに、時刻は日が変わって午前0時40分。 そういえば私には明日までの仕事が3件ほどあったな、と、もう誰もが忘れ去っているであろう、この日記の冒頭に書いたことを思い出したりしてるわけです。ていうか、私も今、日記を校正しようとして読み直した時に、ようやく思い出しました。 やはり、文章の校正は大切ですね。 ・・・なんて言っている場合ではなくなってきたのではないでしょうか。どうですみなさん? ・・・なんて無意味に皆様に同意を求めている場合でもなくなってきたのではないでしょうか? どうです私? ・・・なんて文章を羅列してどうにかして仕事に取り掛かるのを遅らせようとする現実逃避も甚だしいこの男をどうにかしてやった方がいいのではないでしょうか。どうです・・・ えっと、誰に呼びかけていいか分からなくなってしまったので、仕方なく仕事に戻ることにします。 『連日睡眠時間が3時間を切り、しかも明日までの仕事があと3件ほど残っている状況で、文章を書いてみるとどうなるのか』という冒頭に掲げたテーマに関する研究成果: いやだから、現実逃避ももう限界ですって。 それではみなさん、また来週。 サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。 さ〜よ〜う〜な〜ら〜 またね〜 愛してるよ〜 I love you〜! Ich liebe dich〜! Je t'aime〜! Ti amo〜! えーと他の言語での『愛してる』の言い方は・・・ 『alt.romance "FAQ"』(『愛してる』の各言語バージョン) ・・・もう、限界です。 おとなしく現実に戻ります・・・ イエイ夜はこれからだぜッ! あうう・・・ |
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BlackAsh | ■ 正直、すまんかった・・・ | 2001/11/14 04:05 |
日々の戯言 | でも・・・ 辞書は反則だと思います・・・ お姉さん | |
わーいわーい。どこいっちゃったんだろう? ガサガサ ファイル入れはもう2回も見たし。 ミニ本棚は4回も見たし。 わーいわーい。 ガサガサ 「なにやってるんですか〜?」 あー、事務のお姉さんいいところに。 「・・・すごくやな予感です〜」 あはは、そうかもねー。 「もしかして、探し物ですか〜?」 大当たりー。 ファイルがないんですけどね。 「・・・がんばってくださいね〜」 あん、冷たいなぁもう。 ね。ちょっと暇そうじゃないさ。 一緒に探してよ。 「だ〜。声かけなければよかった〜」 ううんお姉さん優しい! ス・テ・キ♪ 「ヘンな言葉づかいやめてください〜」 ていうかかなりテンパってますって。 明日までの書類を書かなければいけないんですよ。 「んも〜。きちんと整理しないから〜」 ほら、フロア移動したばっかりじゃないですか。 だから、やむをえないかな、と。 「あたしだってフロア移ったばっかりですけど〜?」 ほら、お姉さんはキレイだから♪ 「・・・へらへらしてる場合ですか〜?」 あ、結構ホントなんですけど? まあいいや。灰色のファイルだと思ったんですが・・・ 「これは〜?」 ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・・ えへ♪ 「何見てたんですか〜?」 つくえー♪ 「その目はもう要りませんね〜」 いやちょっと見逃していただけですってば。 「はぁ〜あ〜」 あ、そんながっくりしないで。 キレイなお顔が台無しですよ? 「そんなフシアナみたいな目の人にいわれても嬉しくないですね〜」 う。 ふ、節穴ですか・・・ 「何も見えてないじゃないですか〜。まったく、こんなことでよくやってられますよね〜」 ううう・・・ ご、ごもっともです・・・ 「ほら〜。書類書かなきゃいけなかったんじゃないですか〜?」 ・・・そうです。 か、書きます。 パソコンパソコン・・・ 新しくなってスペックは快適だけど、データ全部消えちゃったからがっくりです。 カタカタ カタカタ はあ。出来た・・・ あ、お姉さーん。そこのプリンタに出ますので取ってー。 「あ〜も〜。世話がやけますね〜」 あうあう。 すみませんです・・・ 「はい、どうぞ〜。 ・・・あれ〜?」 え? 何か間違いでも? 「う〜。見てください〜。今日の日付間違ってます〜」 ・・・あれ? 14日で、あってる・・・? えええっ? 今日って14日じゃなかったっけ? 「13日です〜」 うはー。てっきり14日かと・・・ って・・・ あれ? もしかして・・・ 「明日中、ってさっきいってましたよね〜?」 えーと15日までなんですけど・・・ 「それはあさってですね〜」 ・・・マジ? 「マジです〜」 ・・・ ・・・・・・ ボク帰る。 「そうですか〜。課長にちゃんと早退っていってくださいね〜」 ・・・止めてよー。 「あきれて止める気もしません〜」 うがー。 泣きそうです・・・ 「せいぜい目の汚れを取ってくださいね〜」 ・・・ウワーンいじめるー。 「だって不注意すぎます〜。これってクライアントに出す書類ですよ〜?」 ・・・何でこんなにダメなんでしょう、私って。 「近視を治すしゅじゅちゅでも受けてみたらどうです〜?」 ・・・しゅじゅちゅ。 「しゅじゅつ〜!」 もしかして早口言葉苦手ですか? 「そ、そんなことないです〜」 生麦生米生卵。 「な、なまむぎなまごめ、なまたまご〜」 お、言えますね。 「あたりまえです〜」 んじゃ。 東京特許許可局。 「と、とうきょうとっきょ、きょきゃきょく〜」 言えてませんね・・・ 「む〜」 んじゃあ。 空虚な九州空港の究極高級航空機、って3回連続して言ってみて。 「くうきょなきゅうしゅうくうこうの、きゅうきょくこうきゅうこうきゅうき〜」 あ、もう言えてませんね。 「いえてます〜」 言えてないってば。 「く、くうきょなきゅうしゅうきゅうこうの、きゅうきょく、こうきゅう、こうくうき〜」 もう既に最初の方でダメですね。 しかも、間に休みを入れるの不可です。 「むか〜」 やったー、リベンジー! ビリビリビリ ・・・そ、そんなぁ。 しょ、書類を破らなくても・・・ 「いいじゃんどうせいらないんだから〜!」 ・・・そんなに悔しかったんですか。 「き〜。うるさいです〜。ど〜せ早口言葉苦手ですよ〜!」 でも口ゲンカは強いじゃn ごフッ ・・・て、訂正します。 普通のケンカも強いd ぐフッ 「も〜しらない〜! ・・・課長〜! あたし今日気分悪いので早退します〜!」 あっ・・・ 行っちゃった・・・ あの・・・ コート忘れてますけど・・・ 「・・・おい」 な、何ですか、課長。 「今すぐケーキ買って来い。戻ってきたら仕事振って止めておくから」 ・・・はい。 「当然、自腹な」 分かってます・・・ もう、大変でした・・・ これから、クライアントにとても上手に頭を下げられそうです。 |
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BlackAsh | ■ 不定期連載〜ファミリーマートで捕まえて Interlude2(完全版) | 2001/11/12 01:33 |
日々の戯言 | ◆前編◆ ◆後編◆ ◆第1回〜第5回◆、◆第6回◆、◆第7回◆、◆第8回◆、◆第9回◆、◆Interlude◆はこちら | |
最近、私が、ファミリーマートの女の子のことを書いていなかったのは、理由があったんです。 彼女が、ファミリーマートにいないのです。 へとへとに疲れた身体を引きずって帰り道を歩き、それでも向こうに見えるファミリーマートの看板が白くきらめく、夜にも・・・ 久しぶりの休日、太陽の光に目を細めつつファミリーマートのそばを通り過ぎる私のすぐ横で、自動ドアが少し音を立てて開く、昼間にも・・・ 彼女が、ファミリーマートにいないのです。 私に元気をくれる、満開の花のような彼女の笑顔。 私に安らぎをくれる、鈴がコロコロと転がるような彼女の声。 私に心の暖かさをくれる、まっかに染まった彼女のほほ。 この世の中に、まっすぐな思いがあることを教えてくれた、すべてを貫いて突き刺さる、彼女の瞳。 それは、ずっと見ることが出来るものだと思っていたのです。 私の欲しいものは、私の家の近くのファミリーマートのドアが開けば、いつもそこにあると思っていたのです。 それが、失われてしまったのです。 この、2週間の間・・・ 今日、日曜日の東京は、まさに秋晴れ、という言葉が当てはまる、快晴の空。道行く人の顔も、心なしか明るく見えます。 そんな中、私は、何をするでもなく、家のパソコンのモニタを見ていました。 最初は、サイト更新をしようとニュースを探していたのに、マウスを動かす手がいつのまにか止まり、煙草は灰皿に、全てが灰になるまでそのままに放っておかれて。 休日が、休日じゃない。 せっかくのお休みに、何もする気にならない。 原因は、わかっているのです。 もう、2週間も、彼女に逢ってないから。 私に元気をくれる彼女が、どこにも、いないから。 いつしか煙草は、灰皿に全て灰となって、その白い残骸をさらして。 ・・・ああ、煙草、切れちゃったか。 ぼんやりとした意識が、ようやくそれだけを自覚しました。 煙草、買いに行かなきゃ・・・ マンションの玄関を出て、すぐ目の前の煙草の自動販売機。別に、ファミリーマートに行かなくても、そこで私の吸っている煙草は手に入ります。 少し肌寒い空気。シャツを着てきて、よかったかも。 まぶしい日の光が、今はひどく嫌味に感じました。 ガタン、と煙草の箱が落ちてくる音が、妙に響いて。 セーラム・ピアニッシモの箱を取り出し、とりあえず、自動販売機の前で、一服。 ああ、煙草がおいしくない。おいしくなくなった時は、禁煙の時期かもしれないな・・・ そんなことを思いながら、いつもの習慣で、左を向きます。 向こうには、ファミリーマートの看板が。 もしかしたら。 セミロングの黒い髪を後ろで二つに束ねてファミマの制服を着た、あの女の子が。 お店の前を掃除しているかもしれない・・・ 誰も、いない。 いるわけない。 もう、2週間もいなかったのだから。 きっと、バイトをやめてしまったんだろう・・・ あきらめる、というより、もう何も思うことなく、ファミリーマートから目を外し・・・ 外しかけて。 視界の隅に、一瞬だけ、違和感を感じて。 既視感に似た、瞬間の感覚。 もう一度、ファミリーマートの方に、目を向けます。 ・・・でも、やっぱり、あの女の子は、店の前にいない。見慣れたファミリーマートの制服の姿は、どこにも見えない。 気のせい・・・ だったのか。 いや。 ファミリーマートの手前・・・ 居酒屋の前に。 見慣れた、人影が・・・ うつむいて、ただそこに立ちつくして。 時々、周りを、おそるおそる見回して。 誰かを、待っている・・・? 晴れてるとはいっても、時折巻き起こる秋の風は冷たくて。 カーキ色のジャケットに、茶色をベースにした膝丈のチェックのスカート。黒いストッキング。それだけでは、少し寒いはずです。 髪の毛を、後ろで二つにまとめた、女の子。 胸が、高鳴ります。 まさか、まさか・・・ 駆け出しそうになる、私の足。 大きく声を掛けたくなる、私の口。 秋の風が、彼女の方に向かう私にいたずらをするように、吹きつけます。向こうで、彼女が前髪を押さえた姿に、私は確信しました。 制服は着ていないけど、セミロングの黒い髪を後ろで二つに束ねた、あの女の子。 彼女が、そこに、立っていたのです。 前髪を押さえた手を離し、女の子は、ちょっとため息をついたようでした。 どんどん近づいてくる、彼女の姿。 そして。 彼女が。 こちらを向いて。 私に気付きました。 教会のチャペルから、鐘の音とともに、純白のハトが、一斉に晴れた空に飛び去っていくような。 コスモス畑のコスモスたちが、一面に広がって次々と花びらを震わせて開いたような。 天の器に集めて入れた、きらめきまたたく星のかけらを、澄み切った夜空へいっぺんにまき散らしたような。 そんな、彼女の笑顔でした。 色とりどりの宝石のような、彼女の笑顔。 「あ・・・」 声が聞こえる距離ではないのに、確かに彼女は、そう言った、そんな気がして。 バラの花束のような、女の子の笑顔。 一瞬、私の周りの時は、彼女のために止まったような気がして。 私の足も、止まってしまって。 でも、女の子は。 私よりも早く、駆けてきて。 チェックのスカートが、大きく弾みます。 後ろで二つにまとめられたセミロングの黒い髪がゆれているのは、走っているからではなく、きっと、彼女の心臓の鼓動がそこに伝わってしまっているから。 秋の風が、一陣。 彼女が駆け抜けて巻き起こした風が、その秋の風の香りを吸い込みました。まるで、さっきのコスモス色をした笑顔の残り香の色のような、やさしい色をした、彼女の風。 やさしい風が、私を。 包み込む・・・ その直前で。 風が、急に止みました。 目の前で、風が人の形を取って。 私に。私の目の前で。本当に目の前で。 風が、私のシャツの両腕を、ぎゅっ、とつかんで。 私を見上げて。 そして、すぐに、うつむいて。 「逢いたかった・・・!」 ささやきました。 「逢いたかった・・・ よ・・・」 飛びついてくるほどの勢いだったので、ちょっと拍子抜けしましたが。 何も言わず、私は、小さなやさしい風に、笑いかけました。 そして、私は彼女の頭に、手を当てようとしました。 すると彼女は、一瞬、びくっ、としました。まるで、子犬が飼主の胸からケージに戻されるのを恐れるように・・・ そこにずっといたい、とつぶらなひとみで訴えるように、私を、見上げました。彼女の手は、私のシャツの両袖を、ぎゅっと持ったまま。 それを見て、私は、くすくす笑ってしまいました。 「・・・な、何よぉ」 小さく唇をとがらせる、彼女。 「いやいや・・・ 何でもないって」 久しぶりにしては、やや場違いかもしれなかったけれど。 改めて、私は、女の子に、笑いかけました・・・ 腕をつかまれていて頭をなでることができない分、それ以上の気持ちをこめて。 彼女のひとみを、見つめて。 「私も、逢いたかったよ」 とたんに、彼女のひとみがまぶたで隠されて。 くしゃっ、と崩れる、彼女の笑顔。 「・・・ううう」 あわててうつむいて、声を抑えます。 「あたし・・・ 逢いたかった・・・」 「うん」 「・・・ご、ごめんなさい。急にバイトに出なくなっちゃって・・・」 「うん」 「逢いたかった。逢いたかった・・・ 逢いたかった・・・ よぉ・・・!」 「逢えたでしょ? 今・・・ ね?」 「・・・うん、うん」 口元を彼女が手で抑えて、声を殺します。 ようやく自由になった手を、私は、女の子の頭に、そっと、そっと、置きました。 「逢いたかった・・・ の・・・」 それだけを。その言葉だけを。 女の子は、何度も何度も繰り返して。 まるで呪文のように・・・ 望みを言葉にして、それをかなえる・・・ 言霊の呪文のように。 それが、かなった今も、何故か・・・ 呪文のように。 大粒の涙は、呪文とともに、アスファルトにしみ込んで。 まるで、雨のように。 雨のように。 ようやく落ち着いた彼女に、私は、ハンカチを差し出します。ズボンのポケットにちょうど入っていた、バーバリーのハンカチ。それは、彼女のスカートと同じ、バーバリー・チェック。 女の子は、黙ってそれを受け取りました。 めがねを外して、涙を拭きます。 涙を拭いて、ハンカチを当てたまま、動きを止めて。 「・・・ご、ごめんなさい」 ハンカチの奥の唇が、動きます。くぐもった、声。 「何だか、急に泣いちゃって・・・ ごめんなさい」 「いやいや・・・」 そのまま、彼女は動きません。 呼吸が収まって、涙も全部ハンカチにしみ込んだはずなのに。 秋の風が、一陣。 それは、ほんとうの秋の風。 来たるべき冬の息吹を感じさせる、うす寒い、秋の風でした。 「・・・どうしたの?」 私が声をかけると、女の子は、はっ、として、ハンカチを顔から外しました。 そして、にっこりと、私に笑いかけました。 まるで、雲間からのぞく月の光のように。 「えへへ・・・」 唇をかんで、私を見上げる彼女は、いつもと同じように。 いつもと同じように・・・ 「ごめんなさい。ほんと、どうしちゃったんだろ」 少し大きめのめがねをかけて、ほう、と彼女はため息をつきました。 差し出されたハンカチを受け取って、私は、彼女を見つめます。 その視線に気づき、彼女は、またにっこりと私に笑いかけて。 照れたかのように、うつむきました。 「ごめんなさい・・・ 中間テストで、お勉強しなくちゃならなくなって」 「・・・それで、バイト、休んじゃったの?」 「ごめんなさい・・・ 言っておこうと思ったんだけど、なかなか逢えないうち・・・ に・・・」 一瞬、彼女の声が詰まりかけて。 大きくひとつ、深呼吸をして、女の子が首を振りました。 「えへへ・・・ あたし、あんまり頭よくないから・・・」 「そっか・・・」 「いっぱい勉強しなきゃ追いつかなくて・・・」 「がんばってるんだ」 「・・・うん」 彼女はうなずきました。 うなずいたまま、うつむいて。 いきなり、顔を上げて。 「お勉強、教えてくれる?」 「・・・は?」 「なかなかわからないところがいっぱいあって・・・ 教えてほしいな」 そして、にっこり。 「そ、そりゃ無理だよ・・・ もう、忘れちゃってるよ」 「・・・そっか」 また、うつむいて。 秋の風が、二人の間を吹き抜けます。 それを感じて、女の子が、また、顔を上げました。 「ねえねえ・・・」 まるで、秋の冷たい風を嫌がるように。 沈黙を、嫌がるように。 「・・・どうしたの?」 「え?」 私の問いかけに、女の子が、顔を上げました。 「・・・何か、今日、おかしいよ」 「・・・そんなことないよ?」 笑って、女の子は答えました。 せいいっぱい、にっこりと笑って、女の子は答えました。 「やっぱり、ほんと久しぶりだから・・・」 「・・・」 「ちょっと、どきどきしてるかもしれない・・・」 そう、つぶやいて。 その時、彼女はうつむきませんでした。 私の顔も、見ていませんでした。 私の身体の向こう、どこかわからない、あらぬ方向を見詰めて。いや、ぼんやりと見て。 そんな、視線は。 そんな、何も意思のこもっていない、無意味な視線は。 私の知っている彼女は、いつもひまわりのような笑顔で。 いつもビー球が転がるような動作で。 おもちゃの風車がくるくると回るように。 元気に輝いていた、いつもの彼女。 ぴょこん、とお辞儀をすると、二つにまとめられた髪が、同じように、ぴょん、とはねるのが愛らしくて。 『いらっしゃいませっ!』と言う彼女の声は、りん、と引きしまってお店に響き。 照れてまっかになってしまう時の彼女は、いつも心を抑えきれずに、空気まで照れてまっかに染めてしまう。 そんな彼女が、今日は、いないのです。 「・・・ほんとうに、どうしたの?」 「ど、どうもしてないってばぁ」 私の疑念を打ち消そうと、私の目を見て笑いかけて。 私と、目が合って。 笑い顔が、こわばって。 「中間テストなんて、普通のところじゃもうずっと前に終わってるの、だいたいわかるよ」 「・・・」 「何か、他に原因があったんだ・・・」 「・・・」 女の子が、弱々しげに首を振りました。 「・・・ううん。違うよ・・・」 「違わないよ」 そっと、私は断言しました。 「普段のあなたを・・・ ファミマでバイトしてるときのあなたを、見てるんだから」 「・・・」 絶対に、反論できないその言葉。 それに答えることは、私と彼女が今まで笑い、話し、泣き、戸惑った・・・ その時間を、消してしまうことだから。 私の口から、ため息が洩れました。 はっきりと、音を立てて。 それは、秋風にかき消されることなく、はっきりと、音を立てて。 すうっ、と。 ほんとうに、いつの間にかわからないほど。 女の子は、私のひとみを見詰めながら。 すうっ、と。 ほんとうに、静かに。 声も、なく。 私を、見詰めながら。 彼女のひとみから、涙が一筋流れ落ちました。 それは、澄み切った夜空にひとつ流れる流れ星のように、鮮やかに、はかなく。 手のひらの上に落ちようとするひとひらの雪のように、やわらかく、消えゆき。 夏の夜の最後に残った線香花火のように、きれいで。 そして、必ず失われていくもの。 声をあげずに、女の子は、泣きました。 私の目を、身体を、心を・・・ 私の何もかもを貫く、きれいなひとみを見開いて、泣きました。 目をそらすことが罪になるほどまっすぐに、私を見詰めて、泣きました。 涙は、ほほを伝い、あごを伝い、アスファルトに落ちて。 それが、少しずつ、増えていって。 それぞれの涙の粒の跡が、わからないほどになって。 泣きながら、彼女は、私に告げました。 今、1か月ほど単身赴任をしていた父親が帰ってきていること。 母親が許していたファミマのバイトは時間が遅いので感心しない、という理由で、一時的に休まされていること。 父親の単身赴任が長引きそうなので、家族でその単身赴任先に引っ越すかもしれないこと。 父親の単身赴任先は、イギリスであること。 凍りついたような時間。 ただ、彼女は涙を流していました。 その間、決して、声を上げることなく。 静かに、涙を流していました。 |
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BlackAsh | ■ BlackAsh閉鎖? | 2001/11/11 03:37 | ||||||||||||||||||||||||
日々の戯言 | ちょっと更新が滞ってすいませんでした。 色々考えたいことが沢山あったんです。 | |||||||||||||||||||||||||
先日、「ココロとろ」さんの日記をみて驚いてしまいました。 あ、うちのサイト&tmashがネタになってる・・・。 (「ココロとろ」さんのDiary過去ログ11月2日と11月7日の日記。日記見れるように修正していただきました。るみさんサンクスです。でも11月7日の分はログには残らないものだったそうで・・・。あれ?ある。 るみさんが思い出しながら書いてくれたそうです。重ねてホントありがとうございます。) どういう日記なのかは、「ココロとろ」さんの日記を見て頂くとして、その時のBBSのやり取り(既に流れてしまってるので見ることは出来ませんが)の中で管理人のるみさんからこういう一言がありました。 「BlackAsh閉鎖かと思っちゃいました。」 ちょっとドキッとしました。 少しドキッとしました。 いえ、本当はかなりドキッとしました。 その理由を今日は書こうかな、と。 僕は所謂社会人になって4年目になります。 その間色々ありましたが、今になって思うことは 会社って理不尽じゃないですか? 先日、あるプロジェクトに配属になりまして、僕はあるCRMパッケージ(CRM=「カスタマー・リレーションシップ・マネージメント」。そのパッケージとは、つまり顧客管理システムのこと。)を調査することに。 そこでの役員との会話でこんなのがありました
はぁ? 俺のパソコンって何? 確かに会社から1台ノートパソコン支給されてるけどさ。スペック全然足りないよ?
なんで会社に自分のPC持ってこなきゃいけないんだよ! 自分のパソコンに変なもんインストールしたくないじゃないですか。 でもまぁ、仕事ですから。相手は役員だし。実務の細かいところまで言ってもしょうがないんだよねぇ。 というわけで、らちがあかないと思うので、自分のパソコンを使うことにして・・・。
そんなこと知るかい! 実物が無くてどうやって調査しろって言うんだよ! ・・・いや、これも出来るんですけどね。 資料やマニュアル読むという作業で一応調査出来ないことはないかと。 でも基本的にマニュアル読んでもそこまで書いてないこと多いし・・・。
とうとう逆ギレされました。(怒) つうか、そういう窓口があんたの仕事だろ! お手上げ。 出来るわけ無い。 PC無い。インストールCD-ROM無い。資料、マニュアルも無い。どうやって調査しろと?(ホームページにも資料が無いのは当然チェック済み) ていうか、僕はエンジニアじゃないんだからこんな技術系の仕事できるか! (こんなことの繰り返しで今ではプログラムもちょっとは出来るようになりましたが。) ま、こんな感じなんです。仕事振るのはいいけどもう少し考えてからにしてくれよ。 他にも、ミーティングで、ある役員に「ちょっとリサーチの仕事して欲しいんだけど、あとで資料送るから。今日中に各章ごとの要約作っといて。」と言われ、その資料を確認すると2000ページぐらいのPDF。それも全部英語・・・ ちょっとあんた、僕は半年前のTOEICのスコアが後輩の3分の1しかなかったって話しましたよね? つまり中学校レベルの英語しかできないのに、こんなの出来ると思ってるんですか? (こんなことの繰り返しのせいで、今はTOEICのスコアも随分上がりましたが。) と、いろいろあるわけです。ほんと会社って理不尽だと思いますよね。 こんな会社に勤めている僕ですが、10日ほど前、上司から「明日のミーティングにパスポート持って来い」と言われたんです。 何でか真意を聞き出そうとメールを送っても「明日まで楽しみにしていてください。」の一言メールが返ってくるのみ。 そのときの僕の慌てようが良く分かるメールが残ってるので、ちょっと見てみてください。(笑)
そう、前にもこんなシチュエーションがあったんです。 今年の9月の半ば頃、僕は強制拉致されてアメリカのミネアポリスに連れてかれました。 その時は本当に苦労しました。行って3日目に例のテロ事件があったり、行った先の会社がNimdaウイルスにやられて仕事が出来なかったり・・・。外国人相手に、何言ってるか分かるけど、何しゃべっていいか分からない日々がずっと続いたあの2週間は、外国嫌いの僕が更に外国嫌いになるきっかけを与えてくれました。(笑) で、今回もすっごい嫌だったんです。また外国? そんな思いを抱きつつ、パスポートを持ってミーティングに行きました。 そこではこんなやり取りが。。。
・・・中国? はぁ? マジですか? 英語ができない僕に、今度は中国語をやれと? 関係ないけど、僕、中国についての知識はゲームの三国志しか知らないんですけど? それに漢字嫌いだし。(笑) 会社は会社。僕は会社にしがみついてお給料をもらわないと生活できないんです。拒否権はありません。 結局僕は、短くて2ヶ月×2、長くて1年、中国に行くことに決定しました。 ここで、ようやく冒頭のココロとろさんの「BlackAsh閉鎖?」に戻るわけです。 随分と長かったけどお疲れ様です。(笑) 真面目な話、中国に行ったら今のようにはインターネットできなくなると思います。 で、このサイトの基本的な運営(ホスティングやCGI)は全部僕がやってます。 つまり、僕でないと、片付かない問題が結構あったりするんです。でも、僕はこれから確実にあまりこのサイトを見る事ができなくなるのです・・・ そのせいで、実はBlackAsh閉鎖をちょうど考えていた頃に、るみさんのピンポイントのお言葉・・・。 「BlackAsh閉鎖かと思っちゃいました。」 ・・・やっぱり続けるの難しいよなぁ。 でもですね? これってやっぱりネタですよね? つい最近リンクさせていただいた「TravelersCafe」さんも、オーストラリアでの生活をネタにしています。それが、ちょっとうらやましいなぁと思ってたりするんです。 ということで、他管理人と話し合いをしました。 皆いい奴なんで、僕が日本にいない事で厳しい部分は手伝ってくれるそうです。(つうか手伝えよ) この中国行きのせいで、サイト構成とかが少し変わるかもしれませんが、多分そこまでです。 そう、ここに宣言します。 BlackAshは閉鎖しません。 もっと大きな野望、それは・・・、 中国進出決定!! 皆さん、楽しみにしていてくださいね。 (ちなみに第1弾は、上にも書きましたようにミネアポリスからの全米進出でしたが、Nimdaウィルスによる影響や、僕の泊まっていたホテルのトイレがぶっ壊れて水が流れなくなったことなどにより、あえなく断念しました。その世界征服計画第1弾の残骸が◆コレ◆です) ちょっと余談。 その後、ちょうど上海から来た雷さんという方と話す機会があったので聞いてみました。 「中国の人って、星のマークがついた帽子をかぶって、皆で自転車で毛沢東の肖像画がある公園に行って太極拳してるんですよね?」 素で、殴られました・・・ |
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