| 東京地裁、「2ch.net」ドメインに強制執行か? 何度出たかわからない「2ch閉鎖騒動」ですが、今回はどうなんでしょうか。ZAKZAKの飛ばしで終わるのか、それとも2ch.netのドメインは他人の手に渡ってしまうのか。 『ネット界激震!! 賠償命令を無視し続けてきた日本最大の掲示板「2ちゃんねる」(2Ch)の管理人、西村博之氏(30)の全財産が仮差し押さえされることが12日、分かった。債権者が東京地裁に申し立てたもので、対象となるのは西村氏の銀行口座、軽自動車、パソコン、さらにネット上の住所にあたる2Chのドメイン「2ch.net」にまで及ぶ見込み。執行されれば掲示板の機能が一時停止するのは必至だ』 とあるんですが、えーとまず「2ch.net」のドメインについては、西村氏個人ではなく、ある法人が登録者となっています。whoisで検索すればすぐにわかります。よって「2ch.net」ドメインは西村氏のものではありません。ただ、この法人の住所は西村氏個人の住所と同じです。状況から推測するに、この法人と西村氏個人とは実質的に同一性があるという主張、つまりいわゆる「法人格否認」を、この債権者は既に裁判所に対して主張しているのだと思います(行っていないのであればこの債権者の申立のうち「2ch.net」に関する部分は却下されるはずです)。それに対して西村氏が異議を行う機会に何もなく過ぎてしまえば、仮差押が行われ、本訴訟の後に本執行を行って譲渡してしまえば「2ch.net」ドメインは他人のものに、という筋書きを、ZAKZAKさんはしているようです。
でも、そもそもドメイン名を差し押さえて、さらに執行手続に入れて競売にかけて競落者に譲渡なんて実際できるんですかね。まあ西村氏が反論しない、つまり不出廷を貫けば、当事者の意思が優先される訴訟段階ではいくらでも債権者の主張は通りますが、こと形式面手続面が重視される執行手続ではそううまくはいかないわけで。そもそもドメイン名は民事執行法上も「財産」なのか、そうであるとして不動産なのか動産なのか債権なのか、そのドメインを利用できる権利という意味で債権だとしてもどうやって競売手続に乗せていくのか、手続に乗せて競落したとして、競落人へのドメインの移転をどうやって行うのか(.netドメインですからICANNとかVeriSignに裁判所が決定書英訳でも送れば済むのか、そんな決定書をもらって外国の組織が言うことを聞くのか)、そもそも法人格否認でどこまで民事執行法上押していけるか(濫用の意思は明白なのかどうか)、このハードルを全て乗り越えられるとしたらそれはなかなかの驚きです。ぜひともその方法をつぶさに見てみたいものです。
まあ既に2chのシンボルである壷は差し押さえられたそうですので、今後の経過に興味津々ですよ。つかさ、2ch閉鎖して一番困るのはマスコミさんじゃないか? このZAKZAKも含め、2chソースで書いた記事をいったい何度見たことか。いやーいろんな意味で楽しみだ。
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