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BlackAsh News!! 新着順 - 12月 11〜 -
2014年 12月 17日 (水)

C87告知 [00:40] 
  毎度のことではございますが「師走」には師でもないのに走らされるものでして、昨年ほどではありませんでしたが、今も自宅のメール、5分ごとに設定した自動受信音にびくびくしながらこの文章を書いております。そもそも「師走」とは後世の当て字でして、はばかりながらこう和歌の作品を物している身として少しばかりアピールするとすれば、古くは万葉集に「十二月(しはす)には沫雪降ると知らねかも梅の花咲く含めらずして」(万葉集第8巻1648・紀女郎)とありまして、少なくとも作者である紀女郎が歌人として活躍していた奈良は天平の時には、12月を「しわす」ということが確立されていたことになります。なお、この紀女郎、「郎女」「女郎」とは当時高貴な女性に付す敬称でしたので、そのままでは「紀一族の女性」ですが、万葉集中に本名らしき「紀小鹿女郎」で記載されている箇所があります。他に当時の女性で皆さまご存知と思われるのは大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)や笠郎女(かさのいらつめ)あたりでしょうが、いずれもそのまま意味を把握すれば「大伴一族の坂の上に住んでいる女性」「笠一族の女性」ということになり、本名はわかりません。そもそも当時女性が名を明かすのは夫や親族のみだった、といいたいところですが続日本紀には奈良時代でも女性の官職の叙任に関してきちんと本名で書かれていまして、まあ記録上必要だったということでそこはそれ。この紀女郎という女性は、歴史書ではない万葉集で、珍しく本名らしき「小鹿(おしか)」が記されているのです。なぜこの人がそう記されたのか、同時代の歌人でより有名な大伴坂上郎女の名前が記されていないのはなぜか。他の紀一族の女性と区別するだけなら居住地や父・夫の名前を記せば足りることで、しかも万葉集には7つの同名「石川郎女」がいて、研究によれば同一人物ではないとされているのです。これはつまり、万葉集の編纂において「石川郎女」の区別に余り意識が置かれなかったということになります。ではなぜ紀女郎だけがこのy

私はC87の告知をしていたはずでしたよね。ええそうでしたそうでした。まあこの脱線っぷりにもありますように、今回は忙しくとも時間を作り、今までに増して各和歌集と資料を読み込みました。そして、今までの作品とは異なり始めから連作を意図しています。恋歌と並びジャンルとして確立している「季節の和歌」に焦点を当て、以前に作りました「東方季歌集」で四季を1冊にまとめたスタイルを大きく敷衍し、春夏秋冬四部作としてこれから書いていく予定です。日本古来の季節の流れをそのまま東方Projectの世界に当てはめて、彼女たちの日々の生活の中の四季を描くべく、その初めの巻として今回「春歌」だけをまとめました。そして前回の「東方景歌集」のコンセプトとして取り入れた解説パート、今回割愛するにはどうしても惜しく、何とか最後の見開きに押し込めて皆さまの楽しみの一助となるようにしています。
季節の流れを書くと謳った以上、それぞれのパートは全て季節の移り変わりの順に、ページをまたいだ和歌同士でも和歌中の用語などでつなげました。そのコンセプトを絵にもお願いしまして、各ページの絵もつながっています。本当に師走の忙しい中、いつもよりも複雑な注文を重ねてしまいまして、一流ホームページのゴトウさんには伏して御礼を、まあ伏しても身体の厚み的に余り伏してないように見えるかもしれませんが、ともあれゴトウさんといろいろ話し合ってSS部分から構図を決め、それからさらにSS部分がブラッシュアップされていくという素晴らしい連携を取ることができました。
そして印刷所のねこのしっぽさまにおかれては、今回大変お手間をおかけしたにもかかわらず素早く丁寧な対応をいただき恐縮しきりです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

そんな感じで出来上がった今作、和歌の選択、SSそして絵にこれまで以上の力を入れたものにて、是非ともお手に取っていただきたく。東方Projectから選んだ各キャラに古今千載新古今などから春の和歌の情景を合わせ、カップリングのSSと影絵イラストをはさんだカップリング和歌集に、その情景と歌を合わせた理由などを簡単に記した解説を収録した和歌集・解説本。いつものとおり300円で頒布いたします。とらのあなにも委託予定です。

東方春歌集

表紙 見本 

2日目(12月29日)東ソ25bにて頒布(50部くらい)
予定頒布価格:300円

既刊の和歌系『東方恋歌集弐』『東方恋歌集参』『東方恋歌読本』『東方季歌集』『東方哀歌集』『東方恋歌読本弐』『東方景歌集』、漢詩『東方山水集』、絵本『東方童話 〜 みこのすてきないちにち』そしてマザーグース『東方MOTHERGOOSE』も各10部弱を持込予定。量だけは古株的サークルになってまいりました。なお、『東方艶歌集』はこれから在庫を調べますが、確かもうなかったはず。あったとしても極小部ですので、ご了承くださいませ。

企業はどうなってるかなあ、と思って調べたところあまり欲しいものがなくて愕然。これって年取ったってことですかね… いやいやそんなことはないと首を振り、先ほどチェック2回目を終え、ひとつふたつ見つけてきました。いや無理して買うもんじゃないんじゃないかなという疑念は心の奥底へ、だって何かこう買いたいじゃない祭りにはさ。
なお、上で投げっぱなしの紀女郎の話は、できればほら、何というかコミケ会場で私の想像やら何やらを話そうとかいう感じにすれば、もしかしたらブースにいらっしゃる方が増えるのではないかとか、そんなことはありませんかね。期待しすぎですかね。まあそんなことがあってもなくても(無事に29日休みが取れたら)私Blackとビッグサイトで握手!

































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