2008年 5月 20日
（火）
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◇ Black ： 長らく懸案の社内研修用の書類がようやっと上がり、とにかく締め切りに遅れている
[07:22] | | | のでメールの送信ボタンをえいやと押して、そこでふっと力が抜けた。こういう時には少しくらい祝杯を挙げてもいいのではないかと思ったが、あいにく自宅には一滴の酒も置いていない。元来が人の何倍も飲まなくては酔えない不経済な身体を誇るのであり、これで自宅でも飲んでいたら確実に天国への階段、いや地獄の釜が近くなるからだ。身体は睡眠を欲しているが、脳味噌は無駄に昂って仕方ないこの瞬間、遮光カーテンの向こうはきっと完全に白んでいるだろう午前6時過ぎ。一応知っているバーはまだ開いてはいるが、さすがにここから飲み始めては社会人としていろいろと申し訳なかろう。タバコを燻らしながら、PCスピーカの上に積んであった「孤独のグルメ[新装版]」を手に取った。カーテンを開けてみたらどんよりと雨模様。こういう朝のBGMは、Nujabes feat. Shing02「Luv(Sic) pt.1, 2, 3」といこう。
「孤独のグルメ」2話ほど読了。いつ読んでもどうにも冴えない、さっぱりしない漫画である。まあそれが妙な味わいでいいのだが。タバコはいつの間にか消えていた。セーラムピアニッシモはこういう時に消えやすくて困る。そして2chへ。別にグルメを気取るわけではないが、「ファストフード食べると味覚オンチに!?」という記事が目に入る。そういえば、ファストフードでうまいうまいと連呼して笑う人たちはみんな同じ顔をしているように思う。モスだろうがウェンディーズだろうがクア・アイナだろうが、それはみんな同じ笑顔の色に見えるのだ。別に何かを高らかに唱えるつもりもない。それはそれで別に構わない。そこには嘘はないのだから。逆に言えば、私の胸に去来する様々な想いは全てその人にとって嘘になるのだから。
タバコは3本目。どうにも手持ち無沙汰だ。寝ればいいのに寝れない。馬鹿馬鹿しい時間の過ごし方の筆頭ではないか。雨音が急激に強くなり、ゆったりとしたBGMがかき消える。マウスをいじる手は無駄に素早く、World Whiskies Awardsのページに辿りつく。どれだけ酒が飲みたいのか私は。そういえば余市20年が2008年シングルモルト第1位の栄誉に輝いていたっけ。私が子供のころは親父がサントリー角瓶やらニッカウヰスキーやらをがぶ飲みしていたものだが、あれからもう20余年、日本のウィスキーもなかなかどうして、面白い味になってきた。元来が日本人のオタク気質は何でも突き詰めないと気が済まないわけだが、それはウィスキーの職人技も例外ではないようだ。いや、別に安酒がどうとかいうわけではない。例えばトリスなんかは個人的に十分に納得できる。ほう、George T. Staggがバーボン第1位ときたか。これは私も個人的にお勧め。年によっては70度を超える発狂アルコールを感じさせない香りと味わいの奔流が詰め込まれた銘柄、これを飲むなら度数を気にせず間違いなくストレートでひとつ。香りと味わいの奔流で思い出したが、アードベッグ1990アリー・ナム・ビーストはショットひとつで舌がおかしく痺れるほどの豊かな味わいである。まあ私はラフロイグを代表とするアイラ島のシングルモルトをこよなく愛してやまないので、舌が痺れようがいくらでも飲むのであるが。まあトシもトシだしいつまでもアイラもないだろうというならば、ダラスデュー、それも30年超あたりは優しくじんわりしんみり身体と心に染みていくいい酒ということでお勧めしておこう。
ああ、ようやく眠くなってきた。酒のことを考えていたら気分も酔っ払ってくれたようだ。というわけで適当に書き散らしてきたこの文章も、そろそろ眠りの中で続きを綴ることになりそうだ。「Luv(Sic)」の穏やかなビートが少しずつ遠くなっていく。それではまたお昼ころに。おやすみ。
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