| BlackAshはオリンピックのことなど全く関知せずに、今日も空気を読まず血生臭いニュースをお届けいたします。平和の祭典の開幕日に、その開催地である北京にいるプーチン首相から、報復開始のお知らせです。 『グルジア軍は8日、同国からの分離独立を目指す親ロシアの南オセチア自治州に進攻し、大規模な攻撃を始めた。ロイター通信などによると、これに対してロシア軍機がグルジアの首都トビリシ郊外のグルジア空軍基地を爆撃するなど報復的に軍事介入し、軍事衝突が拡大している。死者も多数にのぼっている模様。グルジアとロシアが本格的な戦闘に突入する懸念が高まっている』 グルジアとロシアがガチ勝負です。どのくらいガチかというと、BBCの映像によればこんな感じでガチです。既にグルジアにより南オセチアの州都ツヒンバリは一斉攻撃を受けており、未確認ではありますが、ツヒンバリ市民2,400人が死亡したという情報もあります。ここまでガチだとみなさま気になるのは両国の戦力差ですが、SKY NEWSの映像による分析によれば、
グルジア ロシア 兵力 26,900 641,000 戦車 82 6,717 戦闘機 7 1,206
とのことで、何かロシアの戦車台数が7,000台以下とか妙に少なく見積もられているのを無視してもまさにアリと象の戦い、まともにやり合ったらグルジアは風の前の砂の如くに吹き飛んでしまうはずです。しかしながら、みなさまご存知のとおり、グルジアの石油パイプラインはアメリカがゲットしておりまして、グルジアの兵器もアメリカから供給されております。現状ロシアは石油景気で空前のカネ余り状態、対してアメリカは未曾有の金融危機で疲弊しており、このあたりの絡みがどうなるか、微妙であります。グルジア側にアメリカとEUが、ロシアは中国に協力を求めていくという流れになるのでしょうか。しかしこの時期に仕掛けたとなると、ロシアとアメリカが裏で対中国戦略を進めているという見方も可能です。その場合、戦火は拡大せずに適当なところで落としどころを探るということになりましょうか。今後も引き続き情勢を見極めてお伝えしていきたいと思います。
なお、平和が大好きな一部の方々がよく頼りにしている国連ですが、そもそも潘事務総長が五輪停戦を呼びかけたのをこれ以上ない豪快さでスルーしておりまして、また、当然のことではありますがロシアとグルジアの裏にいるアメリカの両当事者が対等かつ最強の権限を持つ国連安保理では思惑が複雑に絡み合いアメリカが停戦拒否、解決できるはずもありませんので、ご期待なさらずに。今回はロシアがうまく立ち回り、「グルジアから仕掛けてきた話で、ロシアの申入れで停戦協議をしたにもかかわらずアメリカが停戦を拒否した」という形を作り上げたということになるのでしょうか。これで大義名分も揃い、疾風の如く、そして堂々と、グルジアを潰しにかかるのかもしれません。しかし上で述べたように、ロシア、アメリカ、EUの対中国戦略という見地からそれぞれの完全対立はないということになりますと、グルジアは何らかの形で命を救われるということになるかもしれません。
テレビはこんなことは知らぬ存ぜぬとばかりにオリンピックで中国のことを誉めそやしてばかりのようですが、少なくとも現在こういう状況であるということは、我々は知っておくべきでしょうね。
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