| 『居酒屋チェーン大手のワタミが生ビールの値下げに踏み切ったのは、ことし2月。「和民」ではサントリーのモルツ生の中ジョッキを63円下げて418円とした。和民では、昨年3月、中ジョッキを40円値上げしているが、今回の値下げは、それを上回る額となっている。また、「坐・和民」でも、サントリーのザ・プレミアム・モルツの中ジョッキを105円下げて523円とし、サワー類も105円下げて418円とした』 え、何でこの程度の値下げが記事になるの? あれですか、株価がこの不況に頑張っているからっていう提灯記事ですかね。別に私は飲食店を経営しているわけではないので素人計算ですが、確かモルツ生って割引なしで25リットルだいたい13,000〜14,000円くらいでしょ。それに中ジョッキタンブラー、一般的に言われているものは435mlだけど、このご時世その容量を使っているところなんて少ないわけで、上げ底や底細のやつだとだいたい380mlくらいですが、まあ一応これ以上多くはないという正規容量の435mlで計算しましょうか。サーバに発泡酒や甲類焼酎などを突っ込んで水増しはしない純粋なモルツ生は真ん中取って13,500円÷25Lで1L当たり540円、生中のビールと泡の割合をよく言われる7:3として1杯あたり305ml、実に市販缶ビール以下なのが生ビール1杯の正味容量でして、540円×0.305=164.7円が1杯あたりのモルツ生の原価です。割引なしでだいたい原価率4割弱、これにチェーン店お得意の大量仕入れによる割引など上記以外の要因を加味すれば3割も見えましょう。ビールとセットで出てくるお通しは東京だと300円くらいですが、あれは業務用水煮やキャベツなどを使います。例えば業務用水煮のお値段は1kgだいたい700〜800円、それを30等分くらいするわけですから原価は25円を切り、原価率は驚異の8〜10%。なかなか儲けがいいですよね。席料と言えば聞こえはいいですが、居酒屋マーケット約1兆1,000億円のうち実に15%程度がお通しに払われているとなると、ちょっとぎょっとするのではないでしょうか。 というわけで、基本飲食業の原価は3割、チェーン店の居酒屋に限ってみれば2割5分と言われていますから、上の話題はどうにもニュースになるような話ではないと思う次第です。何をどうしているのか知りませんが生中300円台を謳う店はちらほら見かけますし、五反田には生中常時1杯50円の店すらあるんですがね。まあその50円の店はちょっとしたからくりが、ということのようなんですけど。逆を見れば、新宿ルミネのベルクなんかは原価率がだいたい42〜50%という別の意味で驚異的な商売をしてますし。
まああれですよ、外で酒呑むのに原価率なんて計算したってしょうがないでしょう。だいたいが居酒屋でビール飲むなら大瓶を頼んだ方が得であり、そもそも安く飲むなら自宅に樽生あたりのサーバを置けばいいってのは当たり前、一人飲みが淋しいなら友人を呼べばいいわけです。なかなか削りにくい固定費や人件費が不可避的に付きまとう外食で安い安いなんぞ言っても、学生さんならまだしも、自分で稼いでいて自分の身の丈を知るべき社会人には無粋の一言。上記の記事はあくまで暇潰し、よくて酒の肴程度にしてくださいまし。ましてやお通しを断るとかはさ、ほんと頼むからしないでくださいな。
私は注文全部1品300円の立ち飲みにも行きますし、万単位が飛んでいくバーにも行きますが、どこに行ったとしても、内装、スタイル、店長を含めた従業員の対応、常連の客層を含めて、総合的に懐から出て行くカネに値するいい店かどうか、で選ぶのが一番お得だと、いつも思うんです。最近ではそうね、この土日にインテックス大阪で開催された東方紅楼夢に行ったんですが、その途中で立ち寄った京都は円町の小さな焼鳥屋さん、基本1串150円のとこなんですがなかなかいい味で、おやじさんと店員さんがにこやかに、常連さんらしきお客さんたちが土曜日にもかかわらずぎっしりと、非常にいいお店でしたよ。また京都に行く機会があればどうにかして足を運びたいですね。
とにかくどこでも気持ちよく、お客様は神様というのは店側の台詞であって客は決して言ってはならないということを重々認識して、楽しく飲みましょうや。居酒屋はほんと星の数ほどあるわけで、納得が行かない店だったら次から行かなければいいだけのことなんですし、ね。
以上、東方紅楼夢で買った幽香りんおっぱいマウスパッドが心から手首と手のひらにフィット、揉み心地がよすぎて今日は出勤したくない、そんな週明け朝っぱらからお送りいたしました。
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