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BlackAsh News!! 新着順 - 11月 21〜 -
2010年 11月 30日 (火)

女を一番エロい気にさせるために流すべき音楽は「ジャズ」 Newsポストセブン [07:29] 
  『女性がセックスしたいと感じるには、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの働きが不可欠です。自律神経の働きに狂いが生じると、これらのホルモンバランスが乱れます。女性は自分が安らげる雰囲気にいることで“その気”になるのです。雰囲気を作るのは男の役目。優しい言葉をかけたり部屋を暗くするのはもちろんですが、心地よい音楽などの演出も大切です。ふたりの時間のBGMには、ロックなどのノリの良い曲より、メロウな音楽、ジャズ系などが向いている』
えっ今時ジャズで雰囲気作りですかよ。そりゃハードロックとかメタルよりはずっとマシでしょうが、それにしてもヤる気まんまん過ぎて見え見えじゃないですかよ。つかさ、そりゃJazzの語源はセックスだと言われてますけども、まあ超メジャーどころで行きますが、例えばエヴァンスの「Waltz for Debby」とか聴きながら腰振るとかどうしたらいいのかわからんです。このピアノの最初の一音でもう囚われてしまう。でもコルトレーンの「You Don’t Know What Love Is 」とか直球ド真ん中メロメロでもどうしたらいいのかわからんです。私はジャズが大好きというわけでもありませんし、その厳密な音楽理論などちっとも知りませんが、それでもどうしたって60年代前半の巨匠の作品はどれも曲がヤバすぎる。特に、どっちかといえばペットサックスよりピアノベース好みな私はエヴァンスとラファロがかかると無性に酒が飲みたくなる。かといって70年代に入るとケンカジャズで緊張感がきつい。あれだ、フュージョンとかエレクトロニカとかじゃダメですかね。ああでもAutechreとかSoraとか絶対セックスに向かない。うーんうーん…

『私のような中年世代だったら、スムースジャズのサックス奏者ケニー・Gをおススメします』
あ、何か名前は聞いたことある。結構グラミー賞とかにも出てる人じゃなかったっけ。どれどれ… いやだ何このイケメン。こんなヤツの音楽に囲まれてセックスとか何かプライド的にうわーんな感じがするのでイヤです。つかこの人の音切れないな。息継ぎがほとんどないじゃない。と思って調べてみたら口から空気を頬で押し出している間に鼻で吸う循環呼吸によるロングトーン最長記録で公式ギネス記録を持っていた。45分超のロングトーンて。

いやしかしこのケニー・Gの曲はどれもジャズというより環境音楽っぽいよな。もしかしてジャズじゃなくてもいいんじゃないかしら?
『ジャズを聞いている際はシータ波の出現が多く見られた。セックス時のBGMはジャズが鉄則のようだ』
へ? θ波を出せばいいの? リラックスする時にθ波が出るというそれだけで? おいおいそれだったらやっぱり集中力強化系環境音楽が鉄板じゃないか。θ波は勉強の時に集中させる効果があるということで、世に出回っているソレ系の音楽、つまりバックに波やせせらぎの音を流してシンセ系のゆったりとした透明系環境音楽をかぶせるパターンですが、この記事の論理構成によればこれがセックスに最適と思われます。よーし使えるかどうかちょっとリラックスしつつ聴いてくる。

ふぅ。うん、いや予想はしてた。リラックスしてたら男は勃ちが極めて悪くなりますよね。ただでさえトシなのにこんなことじゃ… リンク張るとアレなので皆さま各自ソレっぽい音楽をググるなり買うなりして試してみてください。ていうか今ソレ関係のページをググってたところ「アルファ波で雰囲気作り」とかいうページを見つけていろいろと台無しな件について。アルファ波を出させて誘えってそりゃクラシックでいいじゃないですかよ。いったいどっちなんだ。まあどっちであっても現状私には関係ないんですけどね。ああやよいかわいいよやよい
2010年 11月 27日 (土)

【微グロ?】驚きの新種環形動物、スキッドワーム【深海生物】 National Geographic [00:20] 
  『ゴカイか、イカか、はたまたイカを食べているゴカイなのか?』
それはゴカイじゃなイカ? などと流行りのイカ娘ネタを振ったはいいものの第1話で切ったのでこれ以上話を膨らませられない私Blackは、こういう深海生物系は全然平気ですけれども、一応微グロ表示をしておきました。この手の生物系が苦手な人もいるかと思いましてね。この生物の動画まであるんですよ。まじうねうねしててカッコイイ。

『体の前部には、体長とほぼ同じ長さの呼吸のための8本の腕と、餌を捕えるのに使われる緩いコイル状の2本の外肢がある。これほどの装備でも飽き足りないかのように、頭からは6対の羽毛状の感覚器が突き出し、“鼻”の集合体として機能する。体の側面には、移動時の推進力を得るための玉虫色の“パドル”も持つ』
これでもかといろいろな装備を身に着けるこの生物が中二病であることは確定的に明らかです。今にもう一本、触腕と呼ぶにはあまりに大きく、分厚く、重く、そして大雑把すぎる腕が生えてきます。敵に襲われた時にはその触腕に六芒星が浮き出てきます。あともう少し進化すると頭部にカチューシャのような白い飾りが生えて「パドル」部分が投げナイフのように発射されます。ついでに攻撃時に時を止めてくると思われます。大変な生物を発見してしまった…! これが、世界の意思か…!

まあ宇宙と同レベルで何もわかっていない深海ですから、不思議な生物はこれからもわんさかと出てきそうです。今一度微グロ警告をしつつ、定期的に立つ深海生物スレにご案内しつつ、このイカ娘は食えるのかどうかに思いを致す、私は日本人でありました。環形動物ってことはミミズとかヒルと同じか。高級釣り餌の環形動物ユムシを食べた記録があるけれど実にやばそうだ。しかし一方で北海道ではユムシが刺身で食べられているようで実にうまそうだ。うーむ、北海道恐るべしじゃなイカ。
2010年 11月 26日 (金)

サプライズなかった紅白出場メンバー 落選させにくい“しがらみ” スポーツニッポン [00:09] 
  『今年の紅白歌合戦の人選は、合計6枠も減ったとともに、変わり映えのしない顔ぶれになった・・・  このメンバーに「少女時代」「KARA」など、日本の歌手より人気がある韓流アイドルが欠けていることのほうが不思議だ』
最近の私はJ-POPもK-POPもひととおりしか聴いておりませんが、オリコンはそれなりにチェックしております。しかしながら寡聞にして、「日本の歌手より人気のある」または「人気のあった」大まけにまけて「同じくらい人気のあった」と言い得るK-POPなるものは、そうですね、強いて挙げるならばBoAと東方神起くらいしか記憶にありません。BoAはカルピスウォーターのCMに出てましたが、もう旬を過ぎましたね。東方神起は一時期「東方」でググる時にスパムメール的な邪魔をしてくれたのでよく憶えていますが、何かよくわかりませんが契約でもめて終わりましたね。その後K-POPに革命的な何かがあったんでしょうか。いいえ、状況はそのころから何にも変わっていない。単純に韓国がウォン安で日本市場で売った方が儲かるこの状況で、日本よりも人件費がかからない、というか報酬が相当に叩かれていると聞きますが、そういう韓国人アーティストの方がコスト安で失敗のリスクが低い、投資の回収がしやすいから、大挙して日本市場に来ているところですよね。メディアでの「韓流」の大展開は早期投資回収のためのプロデュース側の宣伝なわけで、実際にそういうムーブメントがあるかどうかなんてどうでもいいことです。その有無をソースを挙げて検証するほど野暮じゃありませんし、むしろその必要すらない。なくたって一向に構やしないんですから売る側は。もともと娯楽の消費期限は短くなってきていて、何でもすぐに消尽されてしまうこの現代社会ですから、一瞬でもいい、さっさと売り切って投資回収して撤退すればいいだけのことです。実際にムーブメントがあるならあるでそれを存分に喧伝し、ないならないでないものをあるようにごり押しで喧伝する、どっちにしても従来どこにでもある普通の経済活動に過ぎません。まあ、せいぜいがんばってくださいな。

直近では少女時代とかが大プッシュされていましたが、秋葉原での売上がメインであるアニソン「けいおん!」にオリコン週間で負けていましたね。正直「ああ、時代は繰り返すんだな」と、10月に出た新曲「Gee」のプロモを見た時に思った次第。圧倒的な古くささが、却って今の若者には新しいんですかね。ていうか美脚が売りならジーンズやカラーパンツでカニカニダンス踊るよりもっとやることあるだろ常識的に考えて。世のおじさま向けじゃないのこのPV? 違うの? 何故にこの世の中に黒パンストが存在すると思ってるんだ。KARAの「Mister」も同じ。The Disco Four「Do It, Do It」の大ネタの使い方が古めかしいのはまあいいとしても、ヒップラインが売りならパンツでケツ振りダンスよりもっとやるべきネタがあるだろほんと。まあ今これらを改めて聴いているんですが、ちょっと個人的に私のような年寄りには日本語の発音も歌詞内容も微妙過ぎるので、これを聴くとしたら原詞ハングルバージョンで日本語の空耳をあてて電波ソングライクに聴くのが正しい使用法のような気がしてきました。どんな曲でも聴けるようになる、電波ソング耐性により培った電波受信能力の汎用性こそ恐るべし。あーでも今年の電波ソング大賞は圧倒的にミツバチだしなあ。

かつて、ポップスではないですが、今は覚醒剤で国外退去になった桂銀淑という韓国人演歌歌手がおりましてですね。あの独特なハスキー・ボイスを皆さまご記憶かどうか、浜圭介とのタッグで一時期かなり売れていました。堀内孝雄とデュエットの「都会の天使たち」とかあったよね。1988年から紅白に7年連続で出場しております。紅白でK-POP対決とか飛ばしちゃった自分の予想が完膚なきまでに大外れたもんで不満たらたらなんでしょうが、せめて桂銀淑くらい人気出てたならモノ言えるけどねスポニチさん、といったところ。もしかしたらこの後NHKからサプライズ追加出演発表があるかもしれませんから、そこに期待した記事でも書いたらいかがでしょうか。
2010年 11月 25日 (木)

ファーストフードのバイト採用基準 リアルライブ [05:24] 
  一昔前は高校生大学生のバイト先として定番のファスト・フードでしたが、昨今不況だからでしょうか、明らかに学生ではないバイトさんを見かけます。さらには明らかに日本人でないバイトさんもよく見かけます。アジア人だけでなく白人黒人も最近はレジに立っていますね。片言の日本語で一生懸命接客しているその姿を見て、まあがんばって、と微笑ましく見遅れた… のはこれも一昔前。余りにも多く見かけるので、最近はとりあえず日本語話せるようになってからやってくれとじんわり思うようになってきました。もうこういう時給が低いバイトを日本人はやらないんですかねえ。

あ、あとバイト経験が就職に役立つと思っている方々へ、よほど特殊な技能や経験が詰まったバイトであるとか、大学の専攻とバイトそしてその就職先が一直線につながっているなどの特殊なケースでない限り、せいぜいが面接時の雑談のネタになるくらいで、採否において人事はほとんど顧慮しませんので念のため。むしろ挨拶とか仕事の要領とか、めでたく正社員に採用された後に一部役に立つことになるわけで、その意味では無駄ではないでしょうけれど。バイトは仕事に責任がありませんが、正社員は仕事に責任があります。それに気付かないで「責任感を持ってバイトを云々」などと言われても苦笑いしかできません。

『「これは店によって基準が違うのでなんとも言えません…。ただやはり、接客ですし、いろいろな方に対処できる素直な性格と、なるべくてきぱきと仕事が出来ること。この2つがあれば、逆にまあ適正試験とは関係なく合格ですね」(街道沿いのマ○○某店舗・店長)』
まあ時給の多寡にかかわらずバイトですから、仕事の内容は単純作業やレジ打ち接客が多いわけで、素直に飲みこんでいく性格と小器用さがあればそれでOK、ということなのでしょう。この意味で困るのが、昨今不況だからでしょうか、コンビニやスーパーでよくお見かけする正社員以外の中高年のレジ打ちバイトさんたちです。私より明らかに年上なんですが、どうにも全般的に仕事が遅い。こちらは別に特別なことを求めているわけではないのですが、若者に比べて、レジが商品バーコードを読み込まなかった時のとろさっぷりは異常。読み込まない時のマニュアルあるでしょうよ。2度3度ならず5度6度、だから無理なんだってよああもうそれ要らないよ返してくるよ、とか突っ込みたくなることがしばしばです。10代後半〜20代前半の若者では無理だと覚るとすぐに手で打ち込むんですけどねえ。

まあこれはある意味仕方ないことでもあります。年を取ると頭の柔軟さがなくなりますので、とっさの対応ができなくなったり、マニュアルを素直に飲み込めなくなっていきます。「読み込まない→マニュアルのとおり手打ちに切り替えよう」ではなく「読み込めない→何で読み込めないんだよ」という思考の流れになってしまうのです。何で読み込めないか考えることなど全くもって重要でなく、どういう手段でもよいからレジが商品のデータを把握できれば万事OKである、というところに思考が行きつかないのが、年寄りになった証拠と言ってもいいでしょう。
この点に留意した生活、つまり「重視すべき事項を判断してそちらに労力を割く」という頭の使い方を普段から心がけていれば、あとは清潔感と最低限の受け答えをクリアすればバイトはわんさか受かるんじゃないかと思う次第。逆に、若い人でバイトになかなか通らなかったり長く続かなかったりする人は、上記3つの要素のどこかが欠けているのでは、と考えてみるのもいいでしょう。

あーそうだ、本部の人とか正社員なんでしょうかね、バイトを客の面前で叱りつけるのはマジでやめてください。見苦しいです。本部の人や正社員は自尊心が大いに満たされて結構なことなのでしょうが、これを見た場所が近所のコンビニやスーパーならまあしばらく足が遠のく程度で済みますが、そこが飲食店なら私は二度と行きません。どんなにうまいものが出ていても。明白に不快極まりないです。裏でやってください。ほんと腹立たしいねあれは。あれですか、本部の人か正社員か知りませんが、そういうことする人は「バカは客の目の前で叱らないとわからん」とでも思っているんですかね。こっちに言わせりゃそんなことしてるおまえの方がバカなんですがね。
2010年 11月 24日 (水)

奈良、参拝ラッシュ 平城遷都1300年で特別開帳 朝日新聞 [09:01] 
  昨日の更新に関連したニュースがちょうど見つかるというタイミングの良さ。いかに「仏教美術」が若者において膾炙しているか、そしていかにそれが具体的な仏教への信仰心とかけ離れているか、という実例です。

『ひと月10人が来るだけだった山里の寺に1カ月で2千人が訪れ、桜の季節ばかりが有名だった吉野山にはこの秋、10万人が押し寄せる勢いだ。平城遷都1300年祭の今年、奈良県内の50を超す社寺が、ふだんは公開しない秘仏などを特別開帳。古寺巡礼ブームのなか、各地で参拝者が急増している』
参拝者ひと月10人て。少なくとも月に20日以上寺には誰も来ないわけですよね。そんな閑散とした仏閣設備というハードを抱えてもなお経営が余裕で成り立っちゃうのが、寺社の圧倒的な檀家制度と葬儀システムでございます。これが普通のサービス業であればあれですよ、twitterで「きようも とっても つらい参道 でした ひと くみでふたり おわってしまった」とか呟くレベルですよ。「いまのところ 参拝者さん こない お守り もないよ 500こ つくったけど おわりました」とかお守り無料配布かよと突っ込まれるところですよ。

しかしながら、今年は平城遷都1300年祭で奈良はお祭り騒ぎです。平城京跡には当初予想の1.5倍に迫る363万人が来場し、奈良の古刹もみんな大盛況。どんだけごった返しているかというと、
『南明寺・・・ 米田弘雅住職は「拝観者が月10人を超すことはめったになかった」という。しかし、10月23日から本堂を公開すると、11月21日までに約2千人が参拝し、拝観料収入がどっと増えた・・・ 金峯山寺(きんぷせんじ)は9月1日から100日間、秘仏の本尊・金剛蔵王権現像(16世紀、国重文)を特別公開している。田中利典(りてん)執行長は「参拝者は例年の10倍。100日で10万人を超すのではないか・・・」』
ちょっと秘仏を公開しただけでこの賑わいです。しかも、南明寺本堂薬師如来坐像は国重文ですが、かの有名な国宝の法隆寺大講堂薬師如来坐像薬師寺金堂薬師三尊像ほど有名ではありません。金峯山寺蔵王堂金剛蔵王権現像も、国重文とはいえ教科書に載るほどではありません。金峯山寺蔵王堂それ自体が世界一大きい檜皮葺造の建造物として国宝指定を受けていますが、それを知る人はほとんどいないでしょう。しかも、
『元興寺(がんごうじ)は、世界最古の飛鳥時代の「現役」部材などを見られる禅室(国宝)の屋根裏を10月17日から28日間公開。予約は低調だったが、当日参加を受け付けると、とたんに希望者が急増し、計4800人がヘルメットをかぶって屋根裏に上がった』
仏像ですらない、国宝の元興寺禅室でこのたび発見された飛鳥時代、西暦にして586年に伐採され今も使われているたった1本の柱を見るために、午前9時から並んでいるわけです。影が薄いサブキャラでもちょっと縞ぱんを見せればスレが立ってMBSやMX厨がTVKテレ玉死亡と書き込みまくって盛り上がり、公式サイトキャラ投票で上位に食い込むことができる。現代の一部の若者の間で人気のオタクアニメで顕著な傾向は、同様に一般人においても顕著であったわけです。関係ないですねすいません。ともあれ、どれだけ仏教美術というものに一般的な人気があるか、この記事で窺い知ることができるというものです。

で、こういう古刹を参拝した人の感想ですが、
『金峯山寺を訪れた千葉県松戸市の主婦荻原貴美さん(63)は「今、秘仏を見逃したら、数十年先になるかも知れないと思って来た。本などで下見したが、本物は100倍素晴らしい」。室生(むろう)寺=奈良県宇陀市=や当麻(たいま)寺=同県葛城市=など5、6カ所の秘宝・秘仏を拝観した奈良市の飲食店長山田素子(もとこ)さん(26)は「秘仏に会えるとラッキーな気になる。いつも行っている寺社でも、特別なものが見られてお得だった」と言った』
団塊世代女性の感想も20代女性の感想もまあそれほど変わらず、とりあえず仏像を見に来ましたといった感じのもの。ていうか御年63歳で「数十年先になるかもしれない」とは、いったいいつまで生きるつもりなのかと意気軒高な荻原さんに感服しきり。私なんぞもうこれから人生秋葉原一色でお先真っ暗だというのに、いやあ団塊世代はパワーがありますね。
まあそれはいいとして、上記2つの鑑賞者コメントのどこにも具体的な仏教への信仰心は見られないわけです。特に20代女性は奈良在住で普段も寺社を訪れているようですが「秘仏に会えてラッキー」とシンプルに仰っている。これはどのような感覚であるかというと、ちょうど私が昨日の更新で事細かに述べた『何がしかの権威付けを伴って知識にした美術や施設に関しては「すごいもの」として受け止める』感覚であると考えられるのです。

ちょうど2,3年前からでしょうか、世に「仏像ガール」なる言葉が出てきております。というか自らのハンドルネームとしてそう名乗り、仏像の素晴らしさをシンプルに広めたいとして活動されている女性がおります。仏像ナビゲーターという肩書がなかなか斬新な仏像ガールさんのサイトでは、古今東西の仏像が写真付で紹介されています。諸所で積極的に講演もされているようです。プロフィールにて79年生まれとありますので私よりも4つ5つほど年下、昨日からの流れに従って若者と言って差し支えないでしょう。
サイトには、超有名なものから道端にぽつんとある無名のものまで、たくさんの仏像の写真があるのですが、その紹介コメントのどこにも「具体的な仏教の信仰」について細かく記したものはありません。むしろ、約1年前に行われた日経トレンディでの対談によれば、
『武藤:いえ、全く無関係というわけではないと思います。ただ、仏教そのものに魅力を感じていたとしても、どの宗派、といったことにはあまりつながらないんじゃないでしょうか。今は、たまたまお寺を訪れたら仏像がとても素敵だったので、また見に行きたいという素直な感覚の人が多いと思います。
仏像ガール:仏教も仏像も好きだとしても、どこかの寺の檀家になりたいというのとは違う気がしますよね。お寺さんの間でも「仏教離れ」という言葉が話題になっているようですが、先日会ったあるお坊さんが「今起こっているのは、そうではなく、むしろ『お坊さん離れ』だ」とおっしゃっていて、なるほどと思いました』

という意見が交わされているとおり、具体的な仏教への信仰心は見られないという認識があります。そしてこれは私が昨日やはり事細かに記したとおり、『我々の世代以降、若者は「坊さんの説法」に宗教的権威を感じていない』『今の若者は団塊世代周辺で生じた具体的宗教的断絶により、具体的な宗教に関する論理的な思考を行う意欲も基盤もない』感覚につながるところだと考えられます。坊さんの説法はどうでもいいけれど、とにかく仏教美術は素晴らしい、という、仏教というカテゴリからすれば非常に片面的な見方です。仏教的思考が伴わない仏教美術の鑑賞が、完全に一般化してきたということになるのです。
同じく日経トレンディによる仏像ブームの分析記事においても、
『東京国立博物館の「国宝 阿修羅展」。開催に際して、これまでの仏教美術の展覧会ではおよそ考えられなかった、若者を意識した仕掛けが企画された。「見仏記」「仏像ロック」などの仏像関連著書で、20代、30代を中心に圧倒的な支持を集めるイラストレーターのみうらじゅん氏が会長となり、「阿修羅ファンクラブ」を発足。ファンクラブ会員になると特製バッチがもらえるほか、会員限定スペシャルイベントへ招待される特典もある。応募は2月末で締め切られたが、10代や20代の若者も多数参加し、約1万2000人の会員を集めた』
マイブームとサブカルの雄であるみうらじゅんがそんなに「圧倒的」な人気を集めていたかどうか、いや30代半ばの私もみうらじゅんがタモリ倶楽部でタモリと一緒にぐだぐだしてるのとか好きですし、みうらじゅんが仏像大好きでいとうせいこうと仏像を見に行ってるのも見たことありますけど、やっぱりみうらじゅんはサブカル的人気が本筋でそんなに圧倒的というか大人気というか… まあそこはどうでもいいや。とにかく、昨日の記事でも紹介しました「阿修羅展」でも若者がかなり集まったという証左がここに示されているわけです。さらに言えば、
『「ただし、どんな仏像でもいいわけではない。『国宝、あるいは重要文化財レベルの仏像が見たい』というのが、お客様の大前提」(クラブツーリズム・永野氏)。また、普段は見ることのできない、希少性の高い秘仏にも旅行者が殺到する』
という需要からして、明らかに「具体的な仏教への信仰心」からはかけ離れた鑑賞の仕方であることは一目瞭然なわけです。そこにあるのは貴重なものへの純粋な賛美であり、論理的な思考ではなく、自然にわき上がる「インパクト」に対する感受性であります。パンチラ要員が毎回わざとらしく見せる縞ぱんよりも、普段は圧倒的鉄壁ガードなヒロインの「国宝、あるいは重要文化財レベルのパンチラが見たい」という現代の一部の若者の間で人気のオタクアニメで顕著な傾向は、同様に一般人においても顕著であったわけです。関係ないですねすいません。ともあれ、「貴重なものを見たい」という感覚それ自体には、具体的な信仰心は窺うことはできません。

それを具体的な仏教への信仰の端緒にしたいのか、そのようにできるかどうかはその後の寺社の施策次第。特に優良コンテンツを持っている古刹は、イベントは単純に寺社の臨時修繕等に充て、それ以外の通常運営については従来からの太い檀家さんに任せるというようなところがそれなりに多そうです。しかしこれに乗っかるべき中小の寺社は、たとえ優良コンテンツに欠けていたとしても、仏像ブームが消える前に何らかの仕掛けを施さないと、いずれ信仰が薄れて幻想郷入りといったことになりかねません。信仰よりもまずは目前に迫った危機への対処ということで、寺社が若者向けのイベントを開いてお嫁さんを探してとりあえず寺社を存続させるなどでも一代くらいは引き延ばせるのでしょうが、それは一時の延命策でしかありません。
私がこうしてこの話題を2回にわたりニュースにしているということは、少なくとも私は、仏教美術に関心があるということなのです。そして何度も書いていますが、私は仏教の宗派だの教義だのはこれっぽっちも知りません。そういう「片方しか知らない若者」たちをどのように取り込んでいくのか、その手法について、具体的に成功した例はあるのでしょうか。私よりもずっと知識のある方々が日夜粉骨砕身しているのですから、数例くらいはあって然るべきなのでしょうが…
2010年 11月 23日 (火)

仏教だってエンタメ 若手僧侶が23日「坊さんフェス」 朝日新聞 [04:29] 
  『仏教だってエンターテインメント! 広島の若手僧侶たちが23日、県立総合体育館(広島市中区)で「坊さんフェス2010」を初めて開催する。仏壇に葬式、法事……。地味な印象がつきまとう現状を変えたいと、知恵を絞っている』
ちょうど本日、これから始まるようですが、あいにくと私は東京でして、そんな平日にやられても広島に行くことは全くもって困難でありまして… とここまで書いた時にカレンダーを見て、本日が休日であることを知りました。ガチで今日会社に行くところだった。坊さんフェス2010主催の方々には、私に無駄足を踏ませないという素晴らしい恩恵をいただきました。深く感謝いたします。これから安心して夜更かしするので広島には行けませんが、東京からそのイベントの盛況を祈っております。
つか坊さんが集まって何やるんですかね、とちょっと興味を持って公式サイトを探し当てましたが、最新のFirefoxで「仏教トレンド情報→菩薩度チェック」がバグって動かなかったのでがっかり、あっさり興味を失いました。せっかくこの記事のつかみのネタになるかなと思ったのに。現代の若者はこんなささいなことで飽きて離れていってしまいます。広島青年僧侶春秋会におかれましては早急の修正をお願いしたく、とまあ何とかこの記事のつかみができましたので、とりあえずそのまま直さなくてもいいですよ。

『「ショットバーで語る法話」など、若者に仏教文化を伝える活動を続けてきた。しかしここ10年、企画した催しに若者が来ない。昨年も吉本新喜劇と組んで芝居を上演したが、客足は伸びなかった。会長の南秀和さん(38)は「若い人の宗教離れは深刻」と痛感した』
はいはい一昨日の「若者の鮒寿司離れ」「若者の狩猟離れ」に続きまして、大本命の「若者の宗教離れ」でございます。つかさ、ショットバーで法話されてもね。パブではなくショットバーなわけですから、だいたいがああいうところは、寡黙に酒を喜び嗜むのが大多数、それ以外の客層で想定されるのは、「客がスノッブ的に自らの知識を語りたい」か、または「その空間で自分より唯一上位に立つマスターに酒を教わりたい」といったところであります。そこでマスターではない第三者が自らの上位に立って説法を始められてもちと困ります。酒が呑みたい派、たまにマスターに酒を教わる派な私はそんな説法など聞きませんね。むしろうるさいのでさっさと店を出ますね。私の仏教についての知識は浅薄なもので、何がどういう宗派で宗派ごとに何が違うかなど全くと言っていいレベルで知りませんが、記憶ではお釈迦様はいつでもどこでも相対する人に最も適した説法をしたとのこと。それが果たして成っているのか、そうあろうと心掛けているのか、そういう観点からは興味深いところではありますが、少なくとも微妙に映るように思えるのです。
あと、とりあえずこの広島青年僧侶春秋会の会員資格が40歳未満の僧侶のようなので「若者」=「20代〜30代」と漠然と捉えて話を進めていますが、ショットバーには30代はいても20代はほとんどいませんよね。まあ30代でも若い方ですかね、こういう話では。

こうして書いていてもしみじみと感じます。私のこうした見方もいい具体例だな、と。口はばったい申しようながら、我々の世代以降、若者は「坊さんの説法」に宗教的権威を感じていないのです。もちろん一般常識として礼儀と敬意は払いますし、いいこと言うなあ、と思うこともある。しかし、それ以上に宗教的な権威付けをもって彼らを見ることは余りないのです。
翻って、これは私だけではないでしょう。仏像や仏経典、仏閣など、いわゆる「仏教美術」「仏教施設」には、面白いことに何らかの権威を感じるのです。私個人に限っても、別に神道でも仏教でもないのですが、神社仏閣を通り過ぎる時は私なりのやり方で必ず敬意を払います。そして、その顕著な例が、昨年開催された興福寺の阿修羅展でしょう。東京国立博物館に集めた動員数は何と94万6172人という大盛況、2009年開催の展示会動員数世界No.1を叩き出しました。それどころか、2009年の展示会動員数世界第2位は奈良の正倉院展示、第3位は東京国立博物館での皇室展示、第4位は東京西洋美術館でのルーブル展示と並びまして、日本の美術展の鉄板っぷりが改めて示されています。この第1位から第3位までは、当然日本人の美術展好きという側面が色濃く出ているものですが、同時にいずれも宗教的色彩が多少なりとも滲み出ているものばかりです。それでは入場者は年寄りばかりだったかというとそうでもなく、例えば阿修羅展で叩き出した2009年世界第1位、そして東京国立博物館開催の展示会で歴代第3位の動員は、20代〜30代も巻き込んだものであったという記事があります。これは企画展であり、間違いなくコマーシャルがうまく行った例だと思いますが、ひとえにコマーシャルと言っても優秀なコンテンツが不可欠なわけで、その意味で、阿修羅像は日本人に広く膾炙しており、それを「見たい」と、そこに「見るべき価値がある」「素晴らしいもの」だと感じている人がかなりの多数として存在することが、ここに証明されたことになります。そして恐らく、阿修羅像に限らず、特段仏教に興味がない一般人でも、例えば「六波羅密寺空也上人立像」「蓮華王院三十三間堂千手観音坐像・千体千手観音立像」「東大寺盧舎那仏坐像金剛力士像」などを見れば、ああ知ってる、と思い出す人は多いと思われます。

いわゆる「坊さんの説法」と「仏教美術」とに見られるこの差はいったい何に基づくものなのか、それは私でもひとつの角度からですが回答を持っていることであり、この問題を真剣に憂慮する僧侶たちはもっと詳細に検討を加えているはずでしょう。すなわち、「坊さんの説法」について我々の世代以降にはもとより土壌がなかったのに対して「仏教美術」「仏教施設」については、私たちの世代でも義務教育からしっかりと教わって知識となっていた。これが両者に見られる明らかな差のひとつです。それは、子供のころに「素晴らしいもの」「価値のあるもの」「敬うべきもの」として教えられたかどうか、という差なのです。我々は小中学校の日本史世界史で、仏教美術については写真と名称、その作成を命じた者や実際に作った者の名前、そしてその意義つまり何故貴重かという理由を暗記できるまで学びましたが、仏教の法話の内容や意味については学びませんでした。せいぜい最澄、空海、法然、親鸞、日蓮、栄西などのそれぞれの宗派の開祖の名前と、その宗派の特徴くらいだったはずです。そして、教育機関以外の場においても、我々は「坊さんの説法」に触れてそれを「素晴らしいもの」と理解して受け止める機会がありませんでした。つまり、子供のころに「坊さんの説法」がありがたいものだと聞かせてくれる大人がいなかった。我々の世代の親、それはいわゆる「団塊世代」そしてその少し下ですが、団塊世代は自分の子供に「坊さんの説法」を聞かせなかったし、意味も説かなかった。それはすなわち、その当時における「団塊世代の宗教離れ」を意味していたのです。戦後の高度経済成長の流れに乗って独立志向を強め、家長制から核家族へ、見合い結婚から恋愛結婚へ、都市型のライフスタイルの基礎を築いた団塊世代において、都市部への進出、家という集団的思考から核家族における個人主義的思考へ脱け出る過程での非合理性の排除、そこに発達してきた自然科学的思考が加わるなど、いろいろな要因があったことでしょう。その生活の激烈な変化の過程において仏教的権威をことさらに重要視せず、ここに一種の宗教的断絶が生まれたと言えるのです。

私は寺社経営に携わっておりませんので、現代の寺社の経営状況を詳らかに知るものではありません。しかしながら、賭けてもいい、昔ながらの檀家は間違いなく離れつつあるはずです。それは、そもそも檀家ですらない若者が離れているのではなく、団塊世代が老境に入り、昔ながらの風習に従うことを拒んでいるということなのです。問題の根源は「今どきの若者」にではなく「団塊世代」にあったのです。そして、それは既に世代をまたいで拡大し、仏教的権威に対する理解と感受性を芽生えさせられなかった「団塊ジュニア」の育てた子供は、当然ながら仏教的権威への理解と感受性など欠片も持ち合わせない「ゆとり世代」として、これから大学生そして社会人となりつつあるのです。

『若手の僧侶たちは、年配の門徒が日頃から「子どもの頃は、寺が一番安心して遊べる場所だった」と話すのが気になっていた。勉強や盆踊りの会場になるなど、文化的要素の強い場所でもあった。「現代は文化や娯楽の機能がいろんな施設に分散している。寺でもその役割は果たせるはず」。そんな思いから、往時の盛況ぶりを再現するイベントの開催を思い立った』
安土桃山時代から江戸時代にかけて、織田信長の延暦寺焼き打ち、豊臣秀吉の刀狩りによる仏教の弱体化、そしてそれらを受けての徳川家康の寺社奉行創設による仏教の完全統制、そして寺請(檀家)制度つまり一定の地域に居住する者はその地域を統括する寺社に登録しなければならないとする制度の創設による寺社の「役所」化と日常密着化を経て、仏教はいわゆる「社会的装置」になりました。この寺社の統括は巧みで、檀家制度により寺社は一定数の檀信徒が保障された代わりに、それ以外の地域の者たちへの「布教の自由」「拡大の機会」を基本的に奪われていたわけです。こうして江戸時代、寺社は幕府の意により動く地域のシンボルとして、僧侶という「役人」の下、強大化しない程度の収入を保障され、地域を統括して種々の教育やイベントを行ってきました。それはつまり統括する地域の檀信徒の生活を守ることを意味するわけで、明治時代の廃仏毀釈を経てもなお残った檀家制度によって、寺社は檀信徒にとって安全な地であり続けました。それをもって「寺が一番安心して遊べた」というイメージは正しいと言えましょう。
しかし、檀家以外の者にとって、その寺社は必ずしも安全とは言えません。それは現代においても同じです。それを度外視して「寺でも娯楽施設としての役割は果たせるはず」というのはややもすると誤解がありそうです。江戸時代の制度創設以降、寺社はあくまでその檀家にとってのシンボルであり、逆に寺社は檀家制度によって収入と労力が保障されていたわけで、それ以外の者にとっては基本的に意味を持たなかった。現在は政教分離の世の中であり、布教の自由は保障されていますが、逆に檀家制度の保障はないわけです。それを度外視して、古き良き檀家制度を維持しつつ新規に布教し、エンタテインメントを提案するというのは、新旧織り交ぜてなかなか矛盾が生じそうでもあります。「往時の盛況」とは公権力によって統括されていた時代に得た既得権益の残滓ではなかったか。それを十分に見詰める必要があるように思われます。

さらに言えば、上でしつこく述べてきたように、現代の若者は説法に関する宗教的権威の理解と感受性に乏しいわけで、それに対して往時のように説法して布教するというのも限界がありそうです。
じゃあいったいどうしたらいいのか。ここにひとつ、興味深いデータがあります。国が行っている「日本人の国民性の調査」の項目で「信仰・信心を持っているかどうか」「あの世を信じているかどうか」の2つの側面を統計調査した「宗教心の2側面」です。1958年と2008年のデータが掲載されています。
これを見て、まずはストレートに、50年前の60代と今の60代とでは、信仰心について現在の方が30%も減少していることがわかります。今の60代とはつまり団塊世代のことですから、昔の年寄りよりも団塊世代は普遍的に信仰を持ち合わせていないことになります。これをもって「団塊世代の宗教離れ」の全てを説明することはできませんが、ひとつの資料として捉えることができます。
そしてもうひとつ、奇妙なことに、現在において「あの世思想」については若者の方が年寄りよりも圧倒的に持ち合わせていることがわかります。その統計掲載ページの説明書きとして、
『単純化すると、宗教心の2つの側面のうち「信仰や信心をもっているか」は啓示宗教的な分野に近いし、「あの世を信じているか」は自然宗教的な分野に近いと考えられる』
とありますので、これをそのまま適用するに、今の若者はキリスト教・仏教・神道などの具体的な信仰についての信仰心はないが、もっと根源的なものに対する思想つまり自然信仰的神秘思想は持ち合わせている、ということになります。この傾向、つまり@高齢者が昔より具体的信仰心を持ち合わせていない、および、A若者は高齢者より具体的信仰心を持ち合わせていないが、自然信仰的事象は高齢者よりも信じている、という傾向は、こちらの「現代人の意識構造」所収の統計からも見て取ることができます。

なぜこうなったのでしょうか。統計掲載ページにはその理由は不明とされています。当然ながら私も専門家ではないのでわかりません。しかしながら、ひとつの予想として、(a)上で述べたように団塊世代で「宗教的断絶」が生じたとありますが、これは具体的な宗教に関する信仰的断絶を意味すると考えて、かつ、(b)仏教美術や仏教施設については若者も「見る価値がある」として鑑賞する、ことを合わせれば、つじつま合わせ的なことを述べることができます。つまり、今の若者は団塊世代周辺で生じた具体的宗教的断絶により、具体的な宗教に関する論理的な思考を行う意欲も基盤もない。しかし、何がしかの権威付けを伴って知識にした美術や施設に関しては「すごいもの」として受け止める基盤がある。このアンバランスが、より根源的なものについての何がしかの神秘性または権威に対する感受性として突出しているのではないか、という予想です。
具体的な宗教の思考は、仏教でいえば説法に顕れています。法話は思想として何らかの論理的説得性を備えているところ、論理的思考とは後天的な学習により身につけるものですから、その体系に触れられなければ身に付けようがないし、日々何事もなく生活できていれば特段必要ともならない。一方で、神威や仏威の奇跡を単純に示すのは宗教的美術であり、それについて教育課程で教師から何がしかの権威をもって示されたものは、素晴らしいものとして興味を持ち、受け止める基盤があるのです。
これは学術的な思考に基づいた予想ではなく、私個人の戯言レベルの思考から導いたものです。間違いはあるでしょうし、研究として正当なものではありませんので、どうかこれをゆめゆめ盲信なさらぬよう、念を押しておきます。こういう考え方もあり得るのでは、という提示のみと致したく。

そもそもが、12月25日にキリスト教、31日には仏教、明けて翌日の1月1日には神道を、それぞれ生活習慣として受け容れているような日本人です。バロック時代のキリスト教的クラシック音楽も、僧侶の木魚と念仏も、日本古来の神道雅楽も、いずれも音楽的魅力を持っていると思うような日本人です。標題リンク先記事で真剣に憂慮している僧侶の方々が
『一般の人たちが合掌している姿の写真を3万枚以上はり合わせ、阿弥陀如来(あみだにょらい)像を描き出す巨大な「フォトモザイクアート」(縦9メートル、横5メートル)』
を作って「すごいもの」として人を呼びこんでみたり、その他いろいろな方法にトライしてみることも、現代社会で示された上記の統計結果に鑑みれば、当てはまるのかもしれません。仏教ではありませんが鷲宮神社のらき☆すたも、また自前で仏様を作り上げた了法寺の萌え仏像と「寺ズッキュン」も、そのインパクトに鑑みれば、現代における宗教のひとつの在り方なのかもしれません。
しかしながら、仏教において「往時の盛況を」と願うのであれば、ゆっくりと確実に、宗教的権威を失うことなく世代をまたいで地道に広げていかないと、宗教的権威に満たされた古き良き「往時」にはならないことでしょう。団塊世代以降においていったん断絶した「具体的宗教的権威への理解と感受性」は、容易に戻るものではないと想像されます。若者にそれを取り戻させたいのであれば、例えば何らかの権威として受け止める感受性を備えている方、つまり仏教美術や仏教施設という優れたコンテンツを利用するのもひとつの手でしょう。日本人の若者は、仏教美術だろうがキリスト美術だろうが神道美術だろうがイスラーム美術だろうが、その美しさと何がしかの権威を宗教的中立性をもって感じ取れる利点を備えている一方で、その美術品や施設がどのような思いで作られたのか、それは作られた当時において肯定されたのか否定されたのか、など、その宗教的意味を正確には知らないのです。それを知りたいと思うのは宗教という論理的思考へのひとつの端緒でもあり得るわけで、そこにひとつの手掛かりがあるような気がします。
もとより柔軟に形を変えても残り続けるのが仏の教えであると自認するならば、宗教で萌えようが婚活しようが全く問題ないのでしょうが、ね。
2010年 11月 22日 (月)

イラン大統領が早婚奨励 「女性は16歳がベスト」 MSN産経 [04:43] 
  『イランのアフマディネジャド大統領は20日、テヘラン市内で講演し、女性は16〜17歳で、男性は19〜20歳で結婚するのが一番良いと述べた』
Here comes a new challenger! アフマディネジャドvsアグネス・チャン、Round 1、Fight! というほどnew challengerというわけではなく、イランのアフマディネジャド大統領は、疑惑の選挙を切り抜けた2期目も意気軒昂、第1期と同様に、女子は早く結婚して子供をもうけろと積極的に早婚多産を奨励しています。まあ実際のところ、出産および子孫を残すという観点「のみ」から見れば、生物学的に女性は若い方がいいとは科学的な裏付けをもって言われているところであります。日本で昨今局所的にですがもてはやされている「アラフォー」「婚活」などの単語に辟易して、アフマディネジャド大統領に向けて握手のAAを繰り出し「ちょっとイラン行ってくる」とF-14トムキャットのAAでひとっ飛びとばかりにパスポートの有効期限を確かめた、そうそこのあなた、ちょっとお待ちください。

このアフマディネジャド大統領の出生率増加政策ですが、まず前提知識として、1980年から88年まで続いたイラン・イラク戦争で戦時中のいわゆる「産めよ増やせよ」的ベビーブームがありまして、ここに来て人口の2/3が30代未満、25歳以下が実に人口の半分を占めるという驚異的な人口の歪みが生じています。前政権がそれを抑えようと1家族2人っ子政策を推し進めていましたが、そうすると今度はベビーブーム世代の老後を支える人口がいない。それを憂慮してアフマディネジャド大統領は早婚政策を主張しているのです。
しかし、同時に直面しているのは圧倒的に高い失業率。イ・イ戦争(この略し方は私と同世代以上の人には懐かしい限りだと思いますw)で荒廃した国土はいまだ傷跡を残し、12%の失業率は人口比で突出している若者を直撃、街には職に就けない若者たちが無為に日々を送っているということです。イ・イ戦争後の経済の混乱を何とかして収めようとする政府主導の経済政策は、自由経済の摂理に反した混乱を生じさせ、物価は毎年ではなく月単位でどんどん上昇、250%にも及ぶインフレ率は完全に国を疲弊させ尽くしています。しかしながら国には産油国としての収益いわゆるオイルマネーがじゃぶじゃぶと、かつて富の偏在の是正を唱えてイラン革命が起こったことを思うと、なかなか微妙な情勢です。
国内に溜まる不満を逸らそうとしているのか、アフマディネジャド大統領はアメリカ、イギリスそしてイスラエル批判を声高に繰り返していますね。つい最近、イランの大学施設で校舎のドア前の床に上記三国の国旗が描かれ、いわゆる「踏み絵」がされている写真を見たことがあります。それでも、イスラームの伝統的衣装のチャードルを着つつも、一部の若者たちはコカ・コーラを飲み、iPodでmp3を取り込んでアメリカのポップスに熱狂し、衛星放送で音楽チャートなどを見ているようです。しかしながら情報統制は日常的に行われ、光回線になっていない銅線の電話回線は盗聴されている時もあるそうです。

何より首都テヘランでもインターネットはまだ電話回線からのダイアルアップが主流、ISDNも見られず、ADSLは割高、これでは画像すらろくに開けません。光回線に慣れた我々が到底暮らしやすい環境とは思えませんね。そして、長年の経済制裁で国内にいること自体が珍しい外国人は周囲からの好奇の目に晒され、恐らく少女を囲うことなどできないでしょう。さらに言えば、そんな年端もいかない少女たちが英語を話せる訳もなく、かといってこちらが、日本人にとって理解するのが困難な言語トップ3に入るペルシア語を習得するのはかなり厳しいでしょう。やはり、我々は大人しく、日本の最先端科学技術が我々をモニタの中に入れてくれることを待つべきだという結論が穏当なところではないでしょうか。

ふう、今日も充実した更新だった… おっと、パスポートはしまっておかなきゃな。
2010年 11月 21日 (日)

ストップふなずし離れ、独自の包装で特許取得 読売新聞 [05:36] 
  『若者を中心に、ふなずし離れが進む中、家庭で手軽に食べられる商品を作ろうと約2年かけて開発した。トレーに、フナを漬けた米を敷き、透明のフィルムで挟んだふなずしをのせて、真空パックにした』
若者の鮒寿司離れは深刻のようです。この前見かけたのは若者の狩猟離れでした。今の若者はモンハンであれだけ狩猟を楽しんでいるというのに、と思ったものですが、さすがに鮒寿司については「なれ寿司作り」をテーマにしたゲームは寡聞にして聞きませんので、代替のものはなさそうです。
ていうか鮒寿司ってぶっちゃけそんなに美味しくないですよね。そもそも淡水魚を火を通さずに食べようってところに多少無理があるわけで、独特のにおいが若者だけでなく女性にも余り好かれない傾向にあるイメージです。そういう味やにおいこそが問題なのに、
『真空パックの商品は他にもあるが、フィルムで挟むことで、取り出しやすく、手もよごれにくい』
多少汚れにくくなったからといって買う人が増えるかというとね。何かニュースの焦点がずれているのではないかとつらつら考えざるを得ないのです。
『ふなずしは、切り身にしたものを姿盛りしてあり、取り分けやすい。作り方を工夫し、独特のにおいを抑えて仕上げた』
そこをもっとアピールすべきなんじゃないかと思うのです。何を肝心なところを文中のみに書いているんですかね。私もこの記事を書いていて今気付きましたよ。私が記事をろくに読まずにニュースにしようとしていたことなどこの際小さな問題ですよ。重要なところは記事タイトルに。これ鉄則。

で、めでたく取り出しやすくなってにおいも抑えられたこの鮒寿司ですが、ただひとつ、姿盛りしているところがいただけない。写真を見ると、鮒の尾っぽがそのまま入っています。これは女性に間違いなく受けない。こういう「買わなくても生活できる嗜好品」は女性が買うかどうかがポイントなわけですから、包装を工夫したついでに盛り付けももうちょっと工夫してください。ここまで文句を言った手前真面目に提案すると、おにぎりに出来るような味付けと盛り付けにしてください。いっそのことおにぎりに入れるなり外側を巻くなりして、いつも変わり種の新ネタに飢えているコンビニおにぎりコーナーで「鮒寿司フェア」とかされるレベルで完成させてください。そしたらきっと女性も買うと思います。
『1匹2000〜5000円』
えっ。高いよ。何だよその値段。5000円あったら同人誌10冊買うよ。まあ何と申しますか、包装を改良するよりも圧倒的に重要な課題が記事の最後に見つかったということで、次はこの点を努力してくださることを期待しております。

































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