| いつかはその日が来ると理解していたし、それがそう遠くないこともわかっていた。けれど、いざその日が訪れてみると、何だかうまく言葉にならない。野茂のメジャー1年目を食い入るように見詰めていた時、まあ今の私を見て誰も信じる人はいないのであるが、かつてピッチャーで4番を任されていた時の興奮と重圧を勝手に思い出しては、胸を高鳴らせていた。昨今を取り上げて引き際の悪さを殊更に喧伝されても私はそんなことは露ほども思わず、もしかしたら、という奇跡をどこかで待っていた。まだやりたいんだってね。何だかほんと「らしい」よ。
日本人MLBピッチャーのパイオニア。何というか個人的に思うのは、とても「日本人」らしい選手だった。ばっさばっさと三振を積み重ねる姿はもちろん、打たれようが、クビになろうが、マイナー契約からしか始められなかろうが、体型が晩年の江夏っぽくなろうが、とにかく格好良かった。野茂英雄選手、本当にお疲れさま。あなたの雄姿は、記録にも、記憶にも、間違いなく確実に残りました。
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