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BlackAsh News!! 新着順 - 7月 11〜 -
2011年 7月 16日 (土)

賃貸住宅の更新料「有効」 最高裁が初判断 朝日新聞 [02:44] 
  『賃貸住宅の契約を更新する際に家主が借り手から「更新料」を取る契約は有効か、それとも無効か。最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は15日、更新料をめぐる3件の訴訟の上告審判決で「原則有効」とする初めての判断を示した。「更新料を取る契約は消費者の利益を不当に害している」と訴えた借り手側の敗訴が確定した』
うん、まあそりゃそうですな。判決文全文はこちらのpdfから見られます。更新料は日本全国ではないけれどそれなりの地域で慣習になっていることはよく知られていると思いますが、借り手の受ける不利益な内容が契約の最初に具体的な金額で明確に示されていて、見る限り、その更新料を含む契約に調印しないと先行きが立ち行かないとかいう特殊な場合でもないようです。それを前提にして、イヤなら契約しないこともできたのに、それを理解した上で敢えて契約したのですから、これで無効だったら困っちゃいますな。
まあ、これが無効とされると更新料返還訴訟が大勃発、てんやわんやが確実だった世の大家さんたちは、ほっと胸をなでおろしていることでしょう。しかしながら余り大っぴらになでおろすと私たち哀れな店子の反感を買いますので、どうぞ隠れてなでおろすことをお勧めします。

まあ雑感みたいなものにとどまらず、もう少し判決文を検討してみましょうか。私も読んでみましたが、A4で7ページくらい、難しい言い回しも余り見られないシンプルなものです。内容も実にシンプルで、以下判決文で読むべきところを引用しますと、

『更新料は、賃料と共に賃貸人の事業の収益の一部を構成するのが通常であり、その支払により賃借人は円満に物件の使用を継続することができることからすると、更新料は、一般に、賃料の補充ないし前払、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有するものと解するのが相当である』

と、まずは更新料の性格をこのように認定しています。噛み砕けば、更新料は賃料の上乗せ的なものであったり、大家と店子の円滑な関係維持のための潤滑油であったり、その他いろいろな意味を持ったカネだそうです。更新料の半額くらいですか、大家から物件広告を打った不動産業者に回るケースもカバーしているような節もうかがえますか。まあ有体に言えば「お金回してくれればまあ悪いようには云々」的な「魚心あれば水心」ってやつですね。
実はこの認定が、いきなりですがこの判決文のキモです。この「更新料の性格」を読み飛ばしちゃうと判決文がさっぱりわからなくなりますので、もう少し詳しく解説しましょう。つまり、更新料というのは更新の対価「のみではない」と言っているのです。契約更新という行為に対する対価「だけではなく」、ましてや更新手続事務手数料「のみでもなく」、それ以外に、家賃の補充や前払、友好的関係維持のための対価などいろいろな意味も含まれる、と言っているのです。
ここで間違いなく皆様はてなマークとなるであろう「家賃の補充や前払」というのはどういう意味かというと、単純に更新料で一括取りする結果として各月家賃が平均的に安くなるという効果よりも、私個人の勝手な解釈で詳しい文献にも当たっているわけではないので話半分で願いますが、

契約期間中は大家も店子もどっちも解約禁止という定期借家という制度を使わない限り、契約期間中に借り手が例えば1ヶ月前予告で解約して引っ越すことができる(=借り手に有利な解約権が規定されている)のが通常だけれど、それでは契約期間の最後まで家賃収入があるはずという大家の期待を一方的に裏切るので、途中解約の残り期間の家賃分を、定期借家ではないので全額は取らないけれど、また清掃とか次の入居人募集とかコストがかさんだりするんで、少しくらいは頼みますよ。

という大家の言い分であると思われます。借り手から見ればまさにそんなん知らんがなですが、契約期間より前に引っ越すことは、契約期間満了までその店子に住んでもらうために大家が行ってきたことが多少なりとも無駄になるということを意味します。契約期間中の空室リスクを完全転嫁するためには定期借家制度を使えばいいわけですが、そうでない場合でも、店子の引越しは大家の責任ではありませんから、普通の場合でも少しくらいはリスク負担をお願いしますよ、というところと思われるのです。また、実際に新規入居者を募集するのにもコストがかかっているのは事実、そして翻って遡れば、その入居者募集に大家がかけたコストのおかげで借り手が物件に出会えているのも事実なのです。
このように、賃貸借のような継続的な契約関係では、「住む」「賃料を払う」以外にも、長くかつ近い関係であるがゆえにその関係自体について潜在的な便益があり、潜在的なコストも生じ続けます。そういう関係も含めての大家と店子なわけで、だからこそ大家と店子は良好な関係を維持すべきなのであり、そのためにはこの資本主義社会では何よりもカネですよね、といったところで上に書いたように魚心あれば水心、判決文にいわゆる「賃貸借契約を継続するための対価」という意味もあるという解釈がされているように見えるのです。
あ、ここで「友好的関係にカネを絡ませるって何事じゃけしからん」とかいう世迷言をおっしゃられるとこの先の話が続かないんで申し訳ありませんがご勘弁ください。およそ商売において「関係」というのは誠実な態度「だけで」維持するものではない、ということをここで申し上げてもしょうがないところでしてね。

ここで裁判所が十分に言い表してはいないこと、それは「借り手は一方的に叩きのめされるような弱者ではない」「取引相手として大家と対等とまではいかないもののそれなりの立場を有している」ということなのでしょう。いったん借りたら当然に住み続けることができるなんて言い草は、借地借家法の「法定更新制度」「正当理由なき更新拒否の禁止」といった借主保護に胡坐をかいた借り手の傲慢であり、そのような強い保護を受けているからこそ、借り手にも合理的な態度が求められるという整理が裁判所の考えの根底にあるような気がします。
民法の大原則に従えば所有者がイヤと言ったら借り手は問答無用で追い出されていたわけで、それはさすがに酷すぎる、と法律で借り手を保護したのです。その後も最高裁判所はあの手この手で大家による店子追い出しを制限してきました。そういう経緯があればこそ、ここまでそれなりに保護したんだから、少しくらい大家の言い分も聞きなさい、と、そういういろいろなバランスも考えて、裁判所は「更新料」というカネに曖昧な意味を持たせたのだと見て取れるのです。

ここで予想される反論は「賃料の補充とか前払というなら、更新料なんて制度は止めて家賃に上乗せしろ」というものですが、裁判所の認定によれば更新料とは「賃料の補充とか前払の意味もあるけれどそれだけではない」わけですし、加えて裁判所にとっては「更新料はいろいろな理由があって支払われるもので有害とか無用というわけではない」という理解ですから、そもそも禁止する理由がないのです。大家がこれから更新料を止めて家賃上乗せとするか、更新料制度を維持するかは店子勧誘というビジネスの問題であり、それが契約する前にきっちり開示される限りにおいて、ビジネス上の選択によるべきもので、法律が介入するところではないということなのでしょう。

以上のように、裁判所の認定によれば更新料にはいろいろな意味があり、それはつまり「いろいろな理由があって取っている」「それなりの根拠があって取っている」ものですから、消費者契約法第10条で無効とするための

『消費者契約法第10条は、消費者契約の条項を無効とする要件として、当該条項が、民法1条2項に規定する基本原則、すなわち信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるか否かは、消費者契約法の趣旨、目的(同法1条参照)に照らし、当該条項の性質、契約が成立するに至った経緯、消費者と事業者との間に損する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考量して判断される』

という判断基準、まあ小難しいですが適当にぶっちゃけちゃうと「消費者が一方的に理由なく損ばかりする条項とか、その条項ができた経緯に理由が全然なかったとか、事業者が消費者の知らない情報を元に有利な立場にモノを言わせて合意するとか、いろんな事情を見て一般常識に照らしてまずいものはダメ」という基準に照らしてみると、

『更新料が、一般に、賃料の補充ないし前払い、賃貸借契約を継続するための対価等の趣旨を含む複合的な性質を有することは、前記(1)に説示したとおりであり、更新料の支払にはおよそ経済的合理性がないなどということはできない』

という結論になるわけです。つまり、更新料は上に述べたいろいろな意味を持って店子から大家に提供される金銭なので、金銭的には店子にはマイナスですが損失の合理的な分担(リスク分担)や、大家店子の関係維持改善というメリットもあるじゃないか、と。その支払に理由がないなんてことはないんだぞ、と言っているわけです。さらに、

『一定の地域において、期間満了の際、賃借人が賃貸人に対し更新料の支払をする例が少なからず存することは公知であることや、従前、裁判上の和解手続等においても、更新料条項は公序良俗に反するなどとして、これを当然に無効とする取扱いがされてこなかったことは裁判所に顕著であることからすると、更新料条項が賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載され、賃借人と賃貸人との間に更新料の支払に関する明確な合意が成立している場合に、賃借人と賃貸人との間に、更新料条項に関する情報の質及び量並びに交渉力について、看過し得ないほどの格差が存するとみることもできない』

そういう理由がないとはいえない更新料の支払について、もう更新料とかみんな知ってることなんだし、裁判所でもずっとOKだったんだし、その金額が固定されてはっきりと書いてあって、イヤなら止めることもできたのに納得して判子をついたんなら、後出しジャンケンで金額に文句を言えるような類のもんじゃないでしょう、という結論になるのです。そして最終的な締めとして、

『賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料条項は、更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらないと解するのが相当である』

と、余りにヤバいレベルで更新料を取るのはさすがに理由がないよね、というバッファを設けて店子に一定の配慮を示しつつ、最終結論に至るのです。

いかがでしょうか。この前同じく最高裁で出された、関西でよく見られる敷引規定の原則有効判決の解説によれば、最高裁はやはり賃借人を一方的な弱者とは解釈せず、具体的な事情をそれぞれ検討して当てはめており、今回の判決内容とスタンスは一致しているように見えます。
これで大家がこぞって更新料を取りに来るかというとそんなことにはならないでしょうね。今まで取っていた大家はそのまま取り続けるでしょうし、敷礼・更新料について他者と差をつけたいところはゼロとしてくるでしょう。せいぜい変わるところは、更新の規定に「法定更新か合意による更新かにかかわらず更新料を●円支払う」と明確に書かれる頻度が上がる程度でしょう。それに応じて、一括で払うことを選択する借り手は更新料を払うでしょうし、家賃上乗せされてもいいから一括払は勘弁と考える借り手はゼロの方を選ぶでしょう。今までもそうでしたし、これからも続くだけでしょう。

まあ私も今の部屋では更新料をもう3回も、東京の相場のひとつである「2年更新2か月分」を払っております。私もこんないい加減なんで、いろいろ部屋の管理に至らないところがあるわけですが、幸いなことにいい管理人さんでして、そこそこメンテはしてくれるんで助かっています。こういう管理人さんに当たった私は幸運なのでしょうね。だいたいがこういう賃料や更新料を払う払わないの話はですね、他に何かちょっとした、例えばメンテの遅れとか隣人の騒音を注意しないとか、そんな些細なことが積み重なっていき、それが噴き出るタイミングが支払時、ということになるわけです。今のところ私はそういうものが溜まっておりませんので、これからも良好な関係を維持していけたらなと。防音はいいし、この前書きましたがコミケ頒布CD焼き焼き中にエアダスターが原因でガス感知器が鳴ったらすぐにALSOKさんがフル装備でおいでになったということで防犯もまあ大丈夫、そして何よりコミケ会場であるビッグサイトにそこそこ近いこともありましてね、結構気に入ってるんですよ、この部屋を。

































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