| | またですか。仕事で様々な企業をいろいろな角度から見てきた私としては、あきれ果てることしかできません。とりあえず価格をいじる前に味をいじってくれればいいのに。何が値上げされるかについてはこちらのpdfを見るとよくわかりますが、セットメニューを20〜30円、ドリンクを10〜20円上げるという内容です。じゃあセットではないハンバーガーやホットドッグそれ自体は上げないんだ、とほっとした皆さんにはよく見てもらいたいのですが、
『主力となるハンバーガー商品およびホットドック商品は、価格は据え置き、ハンバーガーパティおよびドッグ用フランクフルトを6%程度減量する商品仕様変更を行います』
とのことで、肉を減らしての実質値上げを行うとのこと。6%て結構減らしますねえ。この不況でよくこんなことをしようと思ったものです。
だいたいが味がおかしくなってから本当に坂を転げ落ちる石ころのようにどうしようもないことばかりやっている印象があります。つい2ヶ月前、私はBlackAsh日記でモスバーガーの今後について長々と書きました。その中で注目していることのひとつとして、引用が長くなりますが、
『モスバーガーの不振の理由は何よりも第一に売上高の急激な減少にあるわけですから、そのためには、コストカットだけではなく、客を店に戻さなくてはなりません。その方法としては2つあります。即ち、「One of Them」として覚悟を決めて、薄利多売、新規顧客開拓、機会拡大の路線に走る途がひとつ。もうひとつは、客にとっての「Only One」を目指して、モスバーガーをモスバーガーたらしめていた「高級感」と「味」への「信頼」を取り戻す、つまり既存顧客を呼び戻す路線です』
と記しています。そして彼らが今ここで出した回答は、そのふたつのうちのどちらでもなく、コスト高を単純に「客へ価格転嫁すること」でした。価格転嫁の見返りとしてのサービス向上もなく、また機会拡大への道も閉ざして、単に商品の単価を上げることだけでした。この選択により、モスバーガーは「顧客拡大」も「信頼回復」もできなくなったことを意味します。モスバーガーがいくら自らの厳しさを主張したとしても、このクソったれな不況下では当然の如くどこでも厳しいのですから、何らの言い訳にもなりません。敢えてここに記しておきましょう。これは、モスバーガーの終わりの始まりかもしれません。
消費者はモスバーガーが悪い方向に変わったことを敏感に感じているのです。ましてやちょっと調べる気力がある人であれば、あれだけ国産国産と謳っていたモスバーガーですが、実は純国産は生野菜など数品目くらいなもので、もっともよく食べられるであろう主力のモスバーガーシリーズのミートソースには、今話題の中国産トマトが使われるようになったことくらい知っているのです。ましてやライスバーガーかきあげは、米以外全て中国産であることくらい知っているのです。こちらの主要原産地情報からpdfをご覧くださればそれが全てわかります。きっちり開示する姿勢は立派なものではありますが、開示とは、ただ開示すればいいというものではなく、開示事実を今後どのように改善していくのか、という考えを持って開示しなければ、全く意味がありません。モスバーガーは、この落ちた味をどうしていくのでしょうか。それとも、これから業態をがらりと変えていくのでしょうか。もう、彼らには時間はそれほど残されてはいないはずですが…
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